2012年 06月 16日
The Vampire |
1963年刊行の吸血鬼に関する話を集めたアンソロジー。編集はなんと、映画監督のロジェ・バディムです。前書きによると超常現象一般に興味があり、なかでも吸血鬼ものには目がないけれど、吸血鬼の存在は信じていないのだとか。まあ、信じていたら怖くて小説なんて読む気になれないですもんね。私の場合は信じてはいないけれど怖がりなので買おうかどうしようか迷ったのですが、収録作品が興味深かったので思い切って買ってしまいました。怖かったら捨てればいいんだし。
それ以外はすべてフィクション。ポーやブラム・ストーカー、ブラッドベリのようにいかにもな作家からゴーゴリ、モーパッサンといった「へえ!」と思わせる作家までバラエティに富んでいます。レ・ファニュは『吸血鬼カーミラ』の原典。これは翻訳より英語で読むほうが本来の雰囲気が味わえます。コナン・ドイルの作品は『シャーロック・ホームズの事件簿』に収録されている「サセックスの吸血鬼」ですね。
編者:Roger Vadim
出版社:Spearman
ISBN:なし
The Vampires of Hungary and Surrounding Countries / Augusin Calmet最初のAugusin Calmetは17~18世紀フランスのベネディクト派の僧侶で、この一文は創作ではなく学術論文として書かれていますが、Vampireの存在は否定すると言っておきながら、信じているかのような叙述があったりと論旨のはっきりしない内容です。まあ、クリスチャンという立場からすると否定せざるを得ないけれど、時代的にはそういった存在を信じても不思議ではない環境だったわけですから仕方がないとも言えますが。それはともかく、ノンフィクションだからこそよけいに、当時の人々がどういう状況でどういう吸血鬼を信じていたのかが具体的に書かれていて面白かったです。血を吸うだけじゃなかったんですね。この場合はVampire=吸血鬼と訳すのは間違いかもしれない。
Carnival / Lawrence Durrell
Carmilla / Sheridan Le Fanu
The Beautiful Vampire / Theophile Gautier
Berenice / Edgar Allan Poe
Chriseis / Simon Raven
The Horla / Guy de Maupassant
Mrs. Amworth / E.F. Benson
The Adventure of the Sussex Vampire / Sir Arthur Conal Doyle
The Cloak / Robert Bloch
Viy / Nicolai Gogol
Fresh Guy / E.C. Tubb
A Vampire / Luigi Capuana
The Man Upstairs / Ray Bradbury
The Death of Dracula / Bram Stoker
それ以外はすべてフィクション。ポーやブラム・ストーカー、ブラッドベリのようにいかにもな作家からゴーゴリ、モーパッサンといった「へえ!」と思わせる作家までバラエティに富んでいます。レ・ファニュは『吸血鬼カーミラ』の原典。これは翻訳より英語で読むほうが本来の雰囲気が味わえます。コナン・ドイルの作品は『シャーロック・ホームズの事件簿』に収録されている「サセックスの吸血鬼」ですね。
編者:Roger Vadim
出版社:Spearman
ISBN:なし
by timeturner
| 2012-06-16 21:27
| 洋書
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