2012年 06月 05日
カラスゆうかいじけん |
留守番をすることになったアナベラとカラスのモーチマー。楽しく過ごすつもりだったのだが、ちょっとした勘違いから町では大変な騒ぎがもちあがり、モーチマーは怪しい二人組に狙われてしまう・・・。
『かってなカラスおおてがら』の続きです。どうやらモーチマーはその後も無事にジョーンズ家で飼われていたようです。そしてますますパワーアップ。訳者もあとがきで書いていますが、モーチマーの行動は完全に世の子供たちの願望。好きなものだけ食べ散らかしたり、きちんと整頓してあるものをめちゃめちゃに散らかしたり、自動販売機にお金を入れて色んなものを出したり・・・。そしてアナベラはそんなモーチマーの親代わりですが、世の親たちと違うのは常に冷静で落ち着いていて、モーチマーがどんなに悪いことをしても叱らないこと。これは子供たちにとっては理想の親像です。
それに引き換え、本物の親であるジョーンズ夫妻の情けないこと。父親は事なかれ主義で家庭内のことにはできるだけコミットしないようにしていますし、母親のほうは豊かすぎる空想に溺れて、現実が見えなくなり、自分で自分を追い込んでしまいます。これが現実世界での親たちの姿ということなんでしょうか。
子供は自分たちのやりたいことをやっても怒られないモーチマーを見て快哉を叫び、大人は作者の意地悪な皮肉ににやっとする。そんな本なのかな。
カラスゆうかいじけん (せかいのどうわシリーズ)
原題:The Escaped Black Mamba
作者:ジョーン・エイキン
訳者:猪熊葉子
出版社:岩波書店
ISBN:4001159821
『かってなカラスおおてがら』の続きです。どうやらモーチマーはその後も無事にジョーンズ家で飼われていたようです。そしてますますパワーアップ。訳者もあとがきで書いていますが、モーチマーの行動は完全に世の子供たちの願望。好きなものだけ食べ散らかしたり、きちんと整頓してあるものをめちゃめちゃに散らかしたり、自動販売機にお金を入れて色んなものを出したり・・・。そしてアナベラはそんなモーチマーの親代わりですが、世の親たちと違うのは常に冷静で落ち着いていて、モーチマーがどんなに悪いことをしても叱らないこと。これは子供たちにとっては理想の親像です。
それに引き換え、本物の親であるジョーンズ夫妻の情けないこと。父親は事なかれ主義で家庭内のことにはできるだけコミットしないようにしていますし、母親のほうは豊かすぎる空想に溺れて、現実が見えなくなり、自分で自分を追い込んでしまいます。これが現実世界での親たちの姿ということなんでしょうか。
子供は自分たちのやりたいことをやっても怒られないモーチマーを見て快哉を叫び、大人は作者の意地悪な皮肉ににやっとする。そんな本なのかな。
カラスゆうかいじけん (せかいのどうわシリーズ)
原題:The Escaped Black Mamba
作者:ジョーン・エイキン
訳者:猪熊葉子
出版社:岩波書店
ISBN:4001159821
by timeturner
| 2012-06-05 19:36
| 和書
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