2012年 06月 03日
アレックスとゆうれいたち |
スコットランドの寂しい岬の端に立つカーラ城の当主は12歳の少年アレックス。お金がなく、手入れもできない状態に困り果て、城を売りに出すことにした。アメリカの大金持ちが「幽霊が出ないこと」を条件に買ってくれることになったのだが、あいにく城には四人と一匹の幽霊がとり憑いていて、アレックスとは大の仲良しだった・・・。
スコットランドの古城とそこに棲みついている幽霊なんて、それだけでワクワクするような設定ですが、残念ながらスコットランドはそれほど出てきません。というのも途中からお城は解体されてアメリカのテキサスに運ばれ、幽霊たちもアレックスもそれぞれの事情でアメリカに移ってしまうので。
でも、舞台はどこでもかまわないと思えるほどよく練られた話で、登場人物たち、特に幽霊と悪役たちのキャラがとても魅力的。主人公のアレックスやその親友になるヘレンやその父親など、いいほうのキャラクターたちはちょっと画一的によすぎるきらいはありますが、幽霊たちの変てこぶりがそれを補っています。
元吸血鬼の老いぼれ幽霊、子供のポルターガイスト、元ヴァイキングの幽霊、身投げ病の元ガヴァネスの幽霊、それにウナギ犬のように胴長のダックスフントの幽霊と本当にバラエティ豊かです。さらにアメリカでは片手だけの幽霊「ハンド」も加わっててんやわんやの大騒動。
この作者の書く物語は幽霊や魔法使いが出てくるものが多いけれど、怖すぎず、それでいてお行儀よすぎずで実にツボをおさえていると思います。自分の子供たちにお話をしているうちに出来たのだそうですが、その子たち、幸せな子供時代だったでしょうね。
アレックスとゆうれいたち
原題:The Haunting of Hiram
作者:エヴァ イボットソン
訳者:野沢佳織
出版社:徳間書店
ISBN:4198610177
スコットランドの古城とそこに棲みついている幽霊なんて、それだけでワクワクするような設定ですが、残念ながらスコットランドはそれほど出てきません。というのも途中からお城は解体されてアメリカのテキサスに運ばれ、幽霊たちもアレックスもそれぞれの事情でアメリカに移ってしまうので。
でも、舞台はどこでもかまわないと思えるほどよく練られた話で、登場人物たち、特に幽霊と悪役たちのキャラがとても魅力的。主人公のアレックスやその親友になるヘレンやその父親など、いいほうのキャラクターたちはちょっと画一的によすぎるきらいはありますが、幽霊たちの変てこぶりがそれを補っています。
元吸血鬼の老いぼれ幽霊、子供のポルターガイスト、元ヴァイキングの幽霊、身投げ病の元ガヴァネスの幽霊、それにウナギ犬のように胴長のダックスフントの幽霊と本当にバラエティ豊かです。さらにアメリカでは片手だけの幽霊「ハンド」も加わっててんやわんやの大騒動。
この作者の書く物語は幽霊や魔法使いが出てくるものが多いけれど、怖すぎず、それでいてお行儀よすぎずで実にツボをおさえていると思います。自分の子供たちにお話をしているうちに出来たのだそうですが、その子たち、幸せな子供時代だったでしょうね。
アレックスとゆうれいたち
原題:The Haunting of Hiram
作者:エヴァ イボットソン
訳者:野沢佳織
出版社:徳間書店
ISBN:4198610177
by timeturner
| 2012-06-03 17:34
| 和書
|
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