2012年 05月 13日
リンゴの丘のベッツィー |
赤ちゃんのときに両親を亡くしたベッツィーは、町に住む大おばさんとその娘のフランシスおばさんに育てられた。神経質でこわがりのフランシスおばさんに教育されたベッツィーはひ弱で依頼心の強い泣き虫な女の子だった。九歳になったある日、大おばさんが病気になったため、ベッツィーは田舎の親戚の農場に預けられることになる・・・。
アメリカ・バーモント州の美しく豊かな自然に囲まれた農場での暮らしがとにかくすてき。たくさん挿入されているイラストでより具体的に目にすることができるのもうれしい。バターの作り方やメープルシロップを雪の上に流して作る飴など、100年前のアメリカの暮らしが生き生きと描かれていて、こんなところにファームステイしたい、と心から思いました。
作者は、大人は子どもの自発性を尊重し、そのための環境を整えるべきだと提唱するモンテッソーリの教育法を信奉していたそうで、この本の中でもそうした信条があちらこちらに見られます。とはいっても教育臭はまったくなく、いつでもわくわくするような冒険にあふれています。
初めは依頼心のかたまりだったベッツィーが、困難に直面したときに自分の頭で考えるようになり、しだいにひとりで最良と思える判断ができるようになる。そのプロセスはとても感動的です。
イラストの佐竹美保さんは『不思議を売る男』で表紙と挿絵を描いていた画家ですね。この本でもとてもいい感じで、読む楽しみが倍になりました。
リンゴの丘のベッツィー
原題:Understood Betsy
作者:ドロシー・キャンフィールド・フィッシャー
訳者:多賀京子
出版社:徳間書店
ISBN:4198626448
アメリカ・バーモント州の美しく豊かな自然に囲まれた農場での暮らしがとにかくすてき。たくさん挿入されているイラストでより具体的に目にすることができるのもうれしい。バターの作り方やメープルシロップを雪の上に流して作る飴など、100年前のアメリカの暮らしが生き生きと描かれていて、こんなところにファームステイしたい、と心から思いました。
作者は、大人は子どもの自発性を尊重し、そのための環境を整えるべきだと提唱するモンテッソーリの教育法を信奉していたそうで、この本の中でもそうした信条があちらこちらに見られます。とはいっても教育臭はまったくなく、いつでもわくわくするような冒険にあふれています。
初めは依頼心のかたまりだったベッツィーが、困難に直面したときに自分の頭で考えるようになり、しだいにひとりで最良と思える判断ができるようになる。そのプロセスはとても感動的です。
イラストの佐竹美保さんは『不思議を売る男』で表紙と挿絵を描いていた画家ですね。この本でもとてもいい感じで、読む楽しみが倍になりました。
リンゴの丘のベッツィー
原題:Understood Betsy
作者:ドロシー・キャンフィールド・フィッシャー
訳者:多賀京子
出版社:徳間書店
ISBN:4198626448
by timeturner
| 2012-05-13 19:29
| 和書
|
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