2012年 03月 23日
シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム |
世界各地で連続して起こった爆弾テロは、一見バラバラの事件であるように見えたが、シャーロック・ホームズはその裏に天才的な犯罪者ジェームズ・モリアーティ教授の影を感じ取っていた。一方、相棒のワトソンは婚約者のメアリーと結婚し、事件などそっちのけで新婚旅行に出かけてしまう。だが、幸せなカップルにモリアーティ教授の魔の手が・・・。
前作のときも思ったけれど、このシリーズはシャーロック・ホームズという名前のアメリカ人が活躍するアクション映画です。見てる途中で何度も自分にそう言い聞かせました。そう思えば楽しめる。それでもときどき、ハドソン夫人が出てきたり、コナン・ドイルの小説に出てきたセリフが出てきたり、同じ名前の登場人物が出てきたり(当たり前)するので、とーっても気が散ります。
つい最近BBC「Sherlock」のシリーズ2を見たばかりだったのもよくなかったのかも。あっちは時代設定を現代に変えているにも関わらず、どこまでも原作に忠実な雰囲気を保持しているから、よけいに違いを感じてしまうのかもしれません。あ、でも、滝のシーンは、BBC版も巧くアレンジしたなと思ったけれど、こっちのお金をかけまくったCGヴァージョンも見て楽しかったです。それと「光学迷彩」には大笑いさせられました。
前作ではケミストリーが感じられないと思ったロバート・ダウニー・JRとジュード・ロウも、今回は息が合ってた。というか、合いすぎてワトソン気がききすぎ。かっこよすぎ。そりゃあ、マーティン・フリーマンとジュード・ロウを比べたら違いは歴然なんですが、マーティンの陰鬱な感じのワトソンに慣れてしまったせいか、映画版のワトソンはシャーロックにひきずられて能天気になりすぎてる気もしました。
格闘シーンなどのプロセスをホームズの頭の中で予測する形で先にスローモーションで見せ、次にリアルスピードでやってみせるという手法は前作同様に多用されていて、目の遅い私にはありがたかったんですが、今回は山のような火器を使いまくる派手な銃撃シーンもこれまたスローモーション、ストップモーション多用+ど迫力サウンドで見せ場になっていました。
ただねえ、そうしたアクションシーンと推理に関わる静的なシーンとのバランスがどうもよくないんですよね。アクションが派手なだけに静的なシーンがだれる。カメラワークに緊張感がないというか、観客の注意をきちんと引きつけるような動きをしない。なので推理についていくのがワンテンポ遅れてしまい、謎解きの快感が同期できない。それとも私の頭が悪すぎるのかな。たとえば、ホームズとワトソンのダンスに重点をおかず、整形した男を捜すスリルを観客に感じさせるべきだったんじゃないかな。
それにしてもガイ・リッチーって男同士の話が好きよねえ。前作でもアイリーンがあまり目立たなくて残念でしたが、今回のジプシー役の女優さんなんてお色気要員にもなってなくて、あんまりな扱いでした。スウェーデン版ドラゴン・タトゥーの人だそうですが、せっかく名前が売れてハリウッド大作に抜擢されたと思ったのにこんな役では気の毒すぎ。BBC版でもゲイ?と思わせる要素がありましたが、こっちは思わせるなんてものじゃない。ちょっとやりすぎじゃないかなあ。見てて「もうそのネタはいいよ」と言いたくなる場面が何度かありました。
スティーヴン・フライのマイクロフトはかーなりエキセントリック。開いた口がふさがらない場面もありましたが、あれはあれで面白い解釈かも。BBC版の人のほうが原作に近いとは思うけどね。
字幕はカタカナとひらがなだけの男性の名前で初めて見たような気がしましたが、こんな大作を担当するんだからベテランなのかな? わかりにくいウィットに富んだセリフが多いんですが、あまり気にとめずにひらたく大雑把に訳してるなあ、という印象でした。セリフの量が多いから難しいんでしょうが、ちょっと残念。
原題:Sherlock Holmes: A Game of Shadows(2011)
上映時間:129 分
製作国:アメリカ
監督:ガイ・リッチー
出演:ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、ノオミ・ラパス、ジャレッド・ハリス、レイチェル・マクアダムス、スティーヴン・フライ、エディ・マーサン、ケリー・ライリー、ジェラルディン・ジェームズ、ポール・アンダーソン、ウィリアム・ヒューストン、ウォルフ・カーラーほか。
前作のときも思ったけれど、このシリーズはシャーロック・ホームズという名前のアメリカ人が活躍するアクション映画です。見てる途中で何度も自分にそう言い聞かせました。そう思えば楽しめる。それでもときどき、ハドソン夫人が出てきたり、コナン・ドイルの小説に出てきたセリフが出てきたり、同じ名前の登場人物が出てきたり(当たり前)するので、とーっても気が散ります。
つい最近BBC「Sherlock」のシリーズ2を見たばかりだったのもよくなかったのかも。あっちは時代設定を現代に変えているにも関わらず、どこまでも原作に忠実な雰囲気を保持しているから、よけいに違いを感じてしまうのかもしれません。あ、でも、滝のシーンは、BBC版も巧くアレンジしたなと思ったけれど、こっちのお金をかけまくったCGヴァージョンも見て楽しかったです。それと「光学迷彩」には大笑いさせられました。
前作ではケミストリーが感じられないと思ったロバート・ダウニー・JRとジュード・ロウも、今回は息が合ってた。というか、合いすぎてワトソン気がききすぎ。かっこよすぎ。そりゃあ、マーティン・フリーマンとジュード・ロウを比べたら違いは歴然なんですが、マーティンの陰鬱な感じのワトソンに慣れてしまったせいか、映画版のワトソンはシャーロックにひきずられて能天気になりすぎてる気もしました。
格闘シーンなどのプロセスをホームズの頭の中で予測する形で先にスローモーションで見せ、次にリアルスピードでやってみせるという手法は前作同様に多用されていて、目の遅い私にはありがたかったんですが、今回は山のような火器を使いまくる派手な銃撃シーンもこれまたスローモーション、ストップモーション多用+ど迫力サウンドで見せ場になっていました。
ただねえ、そうしたアクションシーンと推理に関わる静的なシーンとのバランスがどうもよくないんですよね。アクションが派手なだけに静的なシーンがだれる。カメラワークに緊張感がないというか、観客の注意をきちんと引きつけるような動きをしない。なので推理についていくのがワンテンポ遅れてしまい、謎解きの快感が同期できない。それとも私の頭が悪すぎるのかな。たとえば、ホームズとワトソンのダンスに重点をおかず、整形した男を捜すスリルを観客に感じさせるべきだったんじゃないかな。
それにしてもガイ・リッチーって男同士の話が好きよねえ。前作でもアイリーンがあまり目立たなくて残念でしたが、今回のジプシー役の女優さんなんてお色気要員にもなってなくて、あんまりな扱いでした。スウェーデン版ドラゴン・タトゥーの人だそうですが、せっかく名前が売れてハリウッド大作に抜擢されたと思ったのにこんな役では気の毒すぎ。BBC版でもゲイ?と思わせる要素がありましたが、こっちは思わせるなんてものじゃない。ちょっとやりすぎじゃないかなあ。見てて「もうそのネタはいいよ」と言いたくなる場面が何度かありました。
スティーヴン・フライのマイクロフトはかーなりエキセントリック。開いた口がふさがらない場面もありましたが、あれはあれで面白い解釈かも。BBC版の人のほうが原作に近いとは思うけどね。
字幕はカタカナとひらがなだけの男性の名前で初めて見たような気がしましたが、こんな大作を担当するんだからベテランなのかな? わかりにくいウィットに富んだセリフが多いんですが、あまり気にとめずにひらたく大雑把に訳してるなあ、という印象でした。セリフの量が多いから難しいんでしょうが、ちょっと残念。
原題:Sherlock Holmes: A Game of Shadows(2011)
上映時間:129 分
製作国:アメリカ
監督:ガイ・リッチー
出演:ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウ、ノオミ・ラパス、ジャレッド・ハリス、レイチェル・マクアダムス、スティーヴン・フライ、エディ・マーサン、ケリー・ライリー、ジェラルディン・ジェームズ、ポール・アンダーソン、ウィリアム・ヒューストン、ウォルフ・カーラーほか。
by timeturner
| 2012-03-23 23:35
| 映画
|
Comments(5)
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たら
at 2012-03-24 22:58
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>このシリーズはシャーロック・ホームズという名前のアメリカ人が活躍するアクション映画です。
いや~前作の予告を見た時から、そうじゃないかと。結局、本編も見たのですが。でもって、今回のはまだ見てないので中味には触れません。
ロバートが、『アイアンマン』の時とどう違うっちゅうの?と思ってしまって、ホームズに見えなくて(英語のニュアンスとかが、わからないので余計なのだと思います。)ワトソンもかっこ良すぎて嘘っぽ過ぎるし(笑)でも、次も決まっている人気シリーズなのですよね~。あらら、ノオミは、そんな役どころなんですか。ハリウッド映画に進出で凄い!とか思ったのに。
いや~前作の予告を見た時から、そうじゃないかと。結局、本編も見たのですが。でもって、今回のはまだ見てないので中味には触れません。
ロバートが、『アイアンマン』の時とどう違うっちゅうの?と思ってしまって、ホームズに見えなくて(英語のニュアンスとかが、わからないので余計なのだと思います。)ワトソンもかっこ良すぎて嘘っぽ過ぎるし(笑)でも、次も決まっている人気シリーズなのですよね~。あらら、ノオミは、そんな役どころなんですか。ハリウッド映画に進出で凄い!とか思ったのに。
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timeturner at 2012-03-25 01:11
たらさん
ロバートは「アイアンマン」のときよりもっと能天気ですよね(^^;)。
今回はロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウが大好きという友人と一緒に見たので、隣からミーハーの香りが漂ってきて、ひとりで見た1よりもずっと楽しく鑑賞できました。映画はひとりで見ることの多い私ですが、こういう手もあったのか!と驚きの発見。
ロバートは「アイアンマン」のときよりもっと能天気ですよね(^^;)。
今回はロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウが大好きという友人と一緒に見たので、隣からミーハーの香りが漂ってきて、ひとりで見た1よりもずっと楽しく鑑賞できました。映画はひとりで見ることの多い私ですが、こういう手もあったのか!と驚きの発見。
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Ken
at 2012-03-25 16:47
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RDJがキャスティングされた時点でアメリカ人のシャーロック・ホームズだよねー。RDJ大好きだけど、それはないわー、と思いました。
ガイ・リッチーなら元ネタ無しで作っても大丈夫だろうに、よりによってホームズ使わなくてもなぁ、という気もします。
2作とも観ましたが、メアリーさんが一番漢前だと思います。
それにしても、スティーヴン・フライとRDJじゃ親違いの兄弟だ。
ガイ・リッチーなら元ネタ無しで作っても大丈夫だろうに、よりによってホームズ使わなくてもなぁ、という気もします。
2作とも観ましたが、メアリーさんが一番漢前だと思います。
それにしても、スティーヴン・フライとRDJじゃ親違いの兄弟だ。
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たら
at 2012-03-25 17:31
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予告では、今回の方が更に能天気っぽかったですね>ロバート。
いや、Kenさんが書いているように、ハリウッドは、元ネタとかリメイクとかに頼り過ぎていると思います。質の低下も感じてしまうし。ドラゴン・タtゥーもやらなきゃよかったのに(^_^;)とか言いながら、見てしまった以上、全部見るとは思いますが。たぶん、これも。
いや、Kenさんが書いているように、ハリウッドは、元ネタとかリメイクとかに頼り過ぎていると思います。質の低下も感じてしまうし。ドラゴン・タtゥーもやらなきゃよかったのに(^_^;)とか言いながら、見てしまった以上、全部見るとは思いますが。たぶん、これも。
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timeturner at 2012-03-25 17:51
Kenさん、たらさん
噂によるとBBC版のSherlockの真似をしてアメリカのTVでも現代版ホームズ物のドラマを作るようですよ。シャーロック役がJonny Lee Miller、ワトソン役はなんとルーシー・リューだっていうんですけど・・・・・・
噂によるとBBC版のSherlockの真似をしてアメリカのTVでも現代版ホームズ物のドラマを作るようですよ。シャーロック役がJonny Lee Miller、ワトソン役はなんとルーシー・リューだっていうんですけど・・・・・・