2012年 02月 22日
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い |
オスカーはすぐれた頭脳の持ち主だが人とうまく関われない自閉症的な傾向のある少年で、いちばんの理解者は父親だった。だが、9.11でその父を失ってしまい、母親とふたりきりの生活になってしまう。ある日、遺品の中から「ブラック」と書かれた袋に入った一本の鍵を見つけ、そこに父のメッセージが隠されていると確信する。そしてその鍵が合う鍵穴を求めて、ニューヨーク中の「ブラック」姓の人々をしらみつぶしに訪ねて歩くようになった・・・。
もうぐじゃぐじゃに泣きました。タオルハンカチを持っててよかった。最後のほう30分くらいは涙の乾く間もありませんでした。9.11をテーマにした映画だとは知っていたので覚悟していたのですが、まさかここまでとは。だって、『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』の著者ジョナサン・サフラン・フォアの小説の映画化でしょう。あれだってユダヤ人虐殺という重いテーマを扱っていたけど、映画化された「僕の大事なコレクション」には飄々としたユーモアがあって重さを和らげていたもの。
でもまあ9.11はあまりに近すぎるから、ユーモア混じりでというのは無理かもしれませんね。ましてやハリウッド映画だから、スタジオが許さないでしょう。監督が「リトル・ダンサー」や「愛を読むひと」の人だというのもそのへんを配慮しての選択だったのかも。この人なら悲劇を真正面から描いて、それでも感動を導き出せると踏んだのかな。この映画にもくすっと笑ってしまうような場面はいくつかあるんですが、それでも悲劇と子供の組み合わせはきつい。
観たすぐあとは、こんなに悲しい話をまた読むのはつらいから本の予約を取り消そうかとも思ったんですが、よく考えてみると、本にはきっとオスカーが訪ねていった人たちの「ストーリー」がきっちり書かれているはず。この映画を見終わってぼんやりと感じた物足りなさは、多分それを読めば解消されるはずという気がするので、やっぱり読もう。
オスカー役の子はこれがデビュー作だそうですが、すごくうまい。撮り方もうまいのかな。映画の中ではおそらく3年くらいの年月がたっているんですが、最初のほうと最後のほうでオスカーが目に見えて成長している(精神的にと肉体的にと両方で)ように見えるので驚きました。
サンドラ・ブロックも抑え気味の演技が役にはまってて好感がもてます。オスカーに「お父さんじゃなくてお母さんのほうがあのときに死ねばよかったのに!」と言われて「So do I」と返したときの表情がなんともいえませんでした。でも夜中にオスカーに起こされたシーンで眉毛がばっちり描いてあったのはちょっと興ざめだったな。それとも刺青眉?
あと、お爺さん役のマックス・フォン・シドー! 最初に見たとき「誰この背が高くてかっこいい老人は?!」と思ったのですが、まさかまだ生きていたとは!(失礼)まだ83歳だったんですね。ベルイマン映画の頃から老けていたので、すごく昔の人のような気がしていました。こんなにすてきな老優はもっとしっかり使わなくちゃ。>映画界
公式サイトはこちら。
原題:Extremely Loud and Incredibly Close(2011)
上映時間:129 分
製作国:アメリカ
監督:スティーヴン・ダルドリー
出演:トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、マックス・フォン・シドー、ヴァイオラ・デイヴィス、ジョン・グッドマン、ジェフリー・ライト、ゾー・コードウェルほか。
もうぐじゃぐじゃに泣きました。タオルハンカチを持っててよかった。最後のほう30分くらいは涙の乾く間もありませんでした。9.11をテーマにした映画だとは知っていたので覚悟していたのですが、まさかここまでとは。だって、『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』の著者ジョナサン・サフラン・フォアの小説の映画化でしょう。あれだってユダヤ人虐殺という重いテーマを扱っていたけど、映画化された「僕の大事なコレクション」には飄々としたユーモアがあって重さを和らげていたもの。
でもまあ9.11はあまりに近すぎるから、ユーモア混じりでというのは無理かもしれませんね。ましてやハリウッド映画だから、スタジオが許さないでしょう。監督が「リトル・ダンサー」や「愛を読むひと」の人だというのもそのへんを配慮しての選択だったのかも。この人なら悲劇を真正面から描いて、それでも感動を導き出せると踏んだのかな。この映画にもくすっと笑ってしまうような場面はいくつかあるんですが、それでも悲劇と子供の組み合わせはきつい。
観たすぐあとは、こんなに悲しい話をまた読むのはつらいから本の予約を取り消そうかとも思ったんですが、よく考えてみると、本にはきっとオスカーが訪ねていった人たちの「ストーリー」がきっちり書かれているはず。この映画を見終わってぼんやりと感じた物足りなさは、多分それを読めば解消されるはずという気がするので、やっぱり読もう。
オスカー役の子はこれがデビュー作だそうですが、すごくうまい。撮り方もうまいのかな。映画の中ではおそらく3年くらいの年月がたっているんですが、最初のほうと最後のほうでオスカーが目に見えて成長している(精神的にと肉体的にと両方で)ように見えるので驚きました。
サンドラ・ブロックも抑え気味の演技が役にはまってて好感がもてます。オスカーに「お父さんじゃなくてお母さんのほうがあのときに死ねばよかったのに!」と言われて「So do I」と返したときの表情がなんともいえませんでした。でも夜中にオスカーに起こされたシーンで眉毛がばっちり描いてあったのはちょっと興ざめだったな。それとも刺青眉?
あと、お爺さん役のマックス・フォン・シドー! 最初に見たとき「誰この背が高くてかっこいい老人は?!」と思ったのですが、まさかまだ生きていたとは!(失礼)まだ83歳だったんですね。ベルイマン映画の頃から老けていたので、すごく昔の人のような気がしていました。こんなにすてきな老優はもっとしっかり使わなくちゃ。>映画界
公式サイトはこちら。
原題:Extremely Loud and Incredibly Close(2011)
上映時間:129 分
製作国:アメリカ
監督:スティーヴン・ダルドリー
出演:トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、マックス・フォン・シドー、ヴァイオラ・デイヴィス、ジョン・グッドマン、ジェフリー・ライト、ゾー・コードウェルほか。
by timeturner
| 2012-02-22 17:32
| 映画
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