2011年 12月 25日
そして神戸 |
神戸も25日になると翌日が月曜なのでホテルに空きが出るらしく、神戸オリエンタルホテルのレディースプランが予約できました。
このホテル、歴史が古いというからクラシックな建物で設備はいささか老朽化、といったイメージでいたのですが、着いてみたら最初はここだとわからないくらいモダンな建物。あとから妹に聞いたら阪神大震災で被害を受けたため建て直したのだそうです。
入口はすごく狭くて、おまけに入っていくなりパンツスーツ姿のやけにテキパキした女性スタッフが「ブライダルですか? ご宿泊ですか?」と聞いてきたので、あっけにとられて一瞬ことばを失いました。ようやくのことで「今夜泊まる予定ですが」と答えると、フロントは17階にございます」と言われ奥のエレベーターに。17階につくともう係りの女性が待っていて荷物を預ける場所に案内されました。チェックインは3時以降なのでとりあえずは荷物を預けて、ロビーで妹と待ち合わせです。
入口も狭かったけどロビーも狭く、前日に泊まった京都のビジネスホテルのほうが広いくらい。でも、床から天井までのガラス越しに神戸港が一望に出来、太陽の光が燦々とさしこむので気分はいい。反対側のマウンテンビューのほうにはメインダイニングルームがあります。レモン入りの水やコーヒーが自由に飲めるようになっているのもいい。道路に面した1階で誰でも入ってこられるロビーではできないサービスかも。
階下でいきなり「ブライダルですか?」と聞かれたましたが、どうやらブライダルフェアを開催中のようで、あとからあとからスタッフの女性に付き添われたカップルがロビーにやってきては説明を受けています。結婚する人が減っているご時世に、こんなにたくさん結婚しようというカップルがいるなんて驚きです。まあ、そういう人たちが集まる場所なんだから当然ですが。
おかしかったのは私がそこにいた30分の間に2組も、片方が高所恐怖症というカップルがいたこと。スタッフとしてはまず17階につれてきて、窓からの素晴らしい眺めで感心させようという趣向なんでしょうが、高所恐怖症と聞くとあわてて奥に移動し、窓の外は見えない位置に立たせます。1組のときなどスタッフが「実は私も高いところが苦手なんです」と告白したりして笑えました。
妹が来て荷物を預けると、さっそく南京町に向かいました。長安門から入ったのですが、あとからシティループバスの案内で知ったところによると、この門は大理石に龍が彫ってあるのだそう。阪神大震災でかなりの部分が落剥したのですが、中国で新たに彫らせて運び、修復したのだそうです。
人通りが多いわりには店に入っていく客は少なく、みんな道端で売っている点心類を買い食いしながら歩いている。店に入ってしまうと単に食事をしてるという雰囲気になってしまうけど、ひと混みの中を食べながら歩くとお祭り気分になれるからかな。あと、どこがおいしいのかわからないから店を選べないという理由もあるかも。
私たちもまずはすごい列ができている老祥記で豚饅頭を買いました。この店、大正四年の創業で、「ぶたまん」という呼び名の発祥の店だそうです。整理係りのおじさんが通行人の邪魔にならないよう手際よく列をさばき、たいして待たずに列は進んですぐに買えました。ここのお饅頭は小さくて(直径5㎝くらい)1個90円と安価なので、買うときは3個以上です。私たちは2個ずつ食べました。豚の脂がしみ出てくるほどジューシーでおいしかった。でもこれ、冷めたら油っこくて食べられないかもね。
少し食べたら本気でお腹がすいてきたので店に入って中華そばでも食べようと思ったのですが、どこもみんなあまり客が入ってそうになくてためらわれる。客引きがやたらとうるさいのも逆に不安。でもまあ、こんなふうに同じ料理を扱う店ばかり並んでいるんだから、まずくて食べられないような店はすぐにつぶれるだろうと考えて、レトロな洋風レンガ造りの鹿鳴荘に入っていきました。
店内は「喫茶店を居抜きで買った?」という造作で、表から見たほどロマンチックではなかったけど、注文した牡蠣入り焼きそばはご覧のとおりふっくらした牡蠣がたくさん入っていて、すごーくおいしいというわけではないけど満足しました。そばは硬いタイプ。
お腹がいっぱいになったので腹ごなしに元町商店街を歩きます。高架下の細い通路の両側に衣類や靴、アクセサリーの店がずらっと続いていますが、ほとんどは若者向けでおばさんふたりに買えそうなものはあまりない。靴はなかなかデザインのいいものがあったけど、安いから当然合成皮革で、この年になると恥ずかしくて履けないな。
歩き疲れたのでおいしいケーキ屋さんでお茶でもと思ったのですが、ガイドブックに出ているお店を2軒訪ねて、ひとつはティータイムは3時からで入れず、ひとつは満員で入れず。こうなったらどこでもいいやと通りかかったケーニヒス クローネに入ってしまいました。でも正解だったかも。すごくひさしぶりにクランツが食べられたし、これにソフトクリームとコーヒーがついて580円ってお得じゃないですか? お腹いっぱいになったけど。
商店街の端まで歩いて三宮の駅に戻り、ポートライナーでライブ会場に向かいました。ライブの様子はこちらで。
ライブが終わったのが7時半くらいで三宮駅に着いたのが8時半くらいだったかな。駅周辺はクリスマスのイルミネーションできれいでしたが、今はみんなLEDなので青とか緑とか冷たい色が多くてちょっと寒々しいですね。仕方がないことだけれど。
お昼をたくさん食べたのとライブの興奮とでふたりともそれほど食欲がなく、店に入って食事をとるのはやめてパンでも買って帰ろうと思ったのですが、この時間になるとアーケードの店もみんなシャッターが降りている。結局手ぶらでホテルに帰りつきました。
チェックインは妹にまかせてしまったのですが、やたらと長時間の説明で何事かと思いました。でもまあ後から聞くとサービスが盛りだくさんでそれも無理はなかったのですが。予約をしたレディースプランはメインダイニングルームでの朝食、WELEDAヴェレダのバスミルクセット(6種)、「エスティティックサロン ゲランパリ」20%割引優待チケットが付いてくるというのは聞いていたのですが、そのほかにクリスマスだからかバーでのフリードリンク券とお煎餅のセットもついてきました。
バーは喫煙可なので嫌煙家にはルームサービスもしてくれるという。これはうれしいかも。なにしろライブでくたくたなのですぐにでも靴を脱いでお風呂に入りたい状態。寝る前にワインは飲みたいけどバーに行く気力はありません。
部屋は予想以上によかった。すごくセンスがいいです、ここ。モダンだけれど安っぽいところがなく、機能性もしっかり考えられています。トイレが妙に広くて殺風景なのだけが違和感を覚えましたが、それ以外は家具、茶器などの選択も含めて完璧。そしてベッドの上にはフエルトでできた可愛いクリスマス仕様の小さなバッグが乗っていました。そばに置かれたカードには「お寝み前にドアノブにこれをかけてください」とあります。どうやらクリスマスプレゼントをいただけるらしい。大人でもわくわくするような趣向ですね。
ハーバービューの部屋でしたが港とホテルの間に高い建物がいくつかあるので、残念ながら絶景とは言いかねますが、それでも部屋の明かりを消すと横広の窓からの景色はロマンチックです。
バスタブもゆったり、シャワーは普通のタイプとレインシャワーの2種類あってバスタイムも充実。アメニティもシャワーキャップ以外は充実していました。パジャマはかぶり式の上着にちゃんとズボンもついていて肌ざわりのいい綿でした。バスローブは厚手のタオルだったので私は使わなかったのですが、妹によるとなかなか着心地はよかったそうです。
先ほどのドリンク券を利用してルームサービスで飲み物をとろうと電話をすると、なんとドリンク以外に前菜セットもいただけるそう。夕食抜きで寝るのに少し不安があったのでラッキーでした。届いたのはお重にきれいに盛られたスモークサーモン、フォアグラのテリーヌ、柿と生ハム、トマトとモッチャレラチーズという贅沢な内容。お風呂上りに白ワインを飲みながらいただくのには最高のおつまみです。
おかげですっかり食欲を刺激され、前日に友人からいただいた丹後のオイルサーディンの缶まで開けてしまいました。これがまた目ウロコのおいしさで、帰宅してから通販を申し込んでしまったほど。よく売られているぐずぐずの輸入物と違って、身がしっかりしまっていて油っこさも生臭さもまったくない。何もつけずにそのまま食べても実においしいのです。
お腹もふくれ、体も温まって、寝心地のいいベッドで眠る幸せよ。
翌朝、さっそくドアノブにかけておいたバッグを取り込みました。中にはゴディバのチョコレートが! すごい、太っ腹。たまたま前の日に妹が最近行ったベトナムでお土産に買ったゴディバのチョコレートをホテルの冷蔵庫に忘れてしまい悔しかった話を聞いたばかりで、あまりのタイミングの良さに感動してしまいました。
朝食に行くと昨夜は暗くて重厚に見えたダイニングルームは光にあふれた朝食堂になっています。山並みがきれいに見えて気持がいい。
だがしかし、この居心地の悪さは何?と周囲を眺めれば、部屋の中は若いカップルだらけ。季節柄でしょうねえ。カットジーンズやら腰履きパンツやら、ディズニーランドにあるホテルに来たのかと思うばかりのイマドキの若者たちがあとからあとから入ってきます。
朝食はサラダ、フルーツ、シリアル、パン、ジュースなどが並んだ冷たいビュッフェと、加熱されている温かいビュッフェのほかにお好みの卵、パンケーキ、カレーのどれかを選べるようになっています。私はスクランブルエッグ、妹はパンケーキにしました。卵の皿にはソーセージ、ベーコン、ポテトもついてきます。
私たちが席についた少し後に、カジュアルな服装の若い男と、彼よりは年上に見えるワンピース姿の女が隣のテーブルにつきました。女のほうが最初にビュッフェからあれこれとってきていたので、女らしさを印象づけようとしているのかな、初めにそれやっちゃうと男が当たり前だと思うようになって結婚してから苦労するのに、なんて余計なお世話のおばさん考えをしていたのですが、このテーブルがだんだんと異様な雰囲気に。
初めに一度だけ男も立っていったのですが、どうやら女のほうから「私がやるからあなたは座っていて」と言われたらしく席に戻ってきました。でも、ひとりで座っているので落ち着かないらしく、体を斜めにしてしきりとビュッフェテーブルにいる女のほうを見るのですが、女のほうは端から順番にすべての料理を美しく皿に盛ることに専念していてまったく戻ってきません。たまに顔を上げて男のほうを向き、完璧に化粧した顔でにっこりするのですが、また食べ物をとることに戻ってしまいます。
ひとつの皿がいっぱいになると自分たちのテーブルに運んでくるのですが、全種類とるまでは満足できないようで、またすぐにビュッフェテーブルに戻ってしまいます。そのうちに卵料理も来て、男のほうは冷めてしまう卵を前に気が気ではなく、なんとか戻ってもらおうと女のほうを見るのですが、まだそれほど長いつきあいではないのか思い切って声をかけることはできないらしい。
テーブルの上には4種類のパンを2個ずつのせた皿を初め、サラダ、フルーツ、温かいおかずをそれぞれに皿いっぱいに盛ったものがテーブル面が見えないくらい並んでいます。このあたりになると私も妹も気になってしかたがなく、隣りのテーブルとビュッフェテーブルのほうを凝視してしまいました。男も居心地が悪いでしょう。一度「料理が冷めちゃうよ」と声をかけたのに女はにっこり笑っただけでまたビュッフェテーブルに行ってしまいました。今度はシリアルを全種類とっています。これはもう完全に病気ですね。世話女房を気取っているのかもしれないけれど、相手のことやまわりの状況がまるで見えていない。
とうとう男も我慢できなくなったのか、それまでより少し語調を強めて、それでも私たちから見るとすごくやさしく「ほら、せっかくの温かい料理が冷めるからもう食べよう」と声をかけました。女のほうも思い残すことはなくなったのかにっこり笑って席につきました。もちろん卵はもう冷え固まっています。
このあたりで私たちは席を立ってしまったので、あのカップルがどの程度たいらげたのかわかりませんが、スリムなふたりだったから絶対に食べきれたとは思えない。食べ物に対する冒?だな。おそらく男は女とのつきあいを考え直したんじゃないかな。あんな人と結婚したら、すべてが彼女のペースで仕切られて大変な生活になりそう。絶対やめたほうがいい。でもまあ、そういうことがわかるから結婚を決める前にこうしてホテルに泊まるのはいいことかもしれない。
部屋に戻ってさんざん先ほどのカップルの話をしつつ荷造りをすませ、快適なホテル生活に別れを告げました。スーツケースを持ったまま市役所前からシティループバスに乗りました。1日乗り降り自由券は650円ですが、ふたりとも1時間くらいしかゆとりがないのでひと乗り250円でとりあえずぐるっと車内から神戸の町を眺めることに。1周52分だそうだからぴったりです。コースは以下の通り。
市役所前⇒元町商店街⇒メリケンパーク⇒中突堤(ポートタワー前)⇒ハーバーランド⇒みなと元町駅前⇒南京町⇒旧居留地⇒三宮センター街⇒北野工房のまち⇒北野坂⇒北野異人館⇒神戸布引ハーブ園⇒新神戸駅⇒三宮駅前
乗ったときは空いていたのにメリケンパークや北野異人館あたりでどっと乗ってきて、スーツケースを持った私はいい迷惑(座席の前が狭くてスーツケースが入らず通路をふさぐことに)でした。駅のコインロッカーに預けていけばよかった。バスの中からだと思うように写真も撮れないし、これはやはり一日乗車券で降りたり乗ったりして一日ゆっくりかけて観光すべきですね。まあ、ふたりとも前日の強行軍で疲れてしまい体力が残ってなかったという事情もあるのですが。
飛行機で帰る妹と三宮の駅で別れ、新快速で京都へ。途中下車して病院に行き、どこにも寄らずに駅に戻って自由席券を指定席券に変更。京のおばんざい弁当を買って新幹線に乗りました。ああ、遊んだ!
このホテル、歴史が古いというからクラシックな建物で設備はいささか老朽化、といったイメージでいたのですが、着いてみたら最初はここだとわからないくらいモダンな建物。あとから妹に聞いたら阪神大震災で被害を受けたため建て直したのだそうです。
入口はすごく狭くて、おまけに入っていくなりパンツスーツ姿のやけにテキパキした女性スタッフが「ブライダルですか? ご宿泊ですか?」と聞いてきたので、あっけにとられて一瞬ことばを失いました。ようやくのことで「今夜泊まる予定ですが」と答えると、フロントは17階にございます」と言われ奥のエレベーターに。17階につくともう係りの女性が待っていて荷物を預ける場所に案内されました。チェックインは3時以降なのでとりあえずは荷物を預けて、ロビーで妹と待ち合わせです。
入口も狭かったけどロビーも狭く、前日に泊まった京都のビジネスホテルのほうが広いくらい。でも、床から天井までのガラス越しに神戸港が一望に出来、太陽の光が燦々とさしこむので気分はいい。反対側のマウンテンビューのほうにはメインダイニングルームがあります。レモン入りの水やコーヒーが自由に飲めるようになっているのもいい。道路に面した1階で誰でも入ってこられるロビーではできないサービスかも。
階下でいきなり「ブライダルですか?」と聞かれたましたが、どうやらブライダルフェアを開催中のようで、あとからあとからスタッフの女性に付き添われたカップルがロビーにやってきては説明を受けています。結婚する人が減っているご時世に、こんなにたくさん結婚しようというカップルがいるなんて驚きです。まあ、そういう人たちが集まる場所なんだから当然ですが。
おかしかったのは私がそこにいた30分の間に2組も、片方が高所恐怖症というカップルがいたこと。スタッフとしてはまず17階につれてきて、窓からの素晴らしい眺めで感心させようという趣向なんでしょうが、高所恐怖症と聞くとあわてて奥に移動し、窓の外は見えない位置に立たせます。1組のときなどスタッフが「実は私も高いところが苦手なんです」と告白したりして笑えました。
妹が来て荷物を預けると、さっそく南京町に向かいました。長安門から入ったのですが、あとからシティループバスの案内で知ったところによると、この門は大理石に龍が彫ってあるのだそう。阪神大震災でかなりの部分が落剥したのですが、中国で新たに彫らせて運び、修復したのだそうです。
人通りが多いわりには店に入っていく客は少なく、みんな道端で売っている点心類を買い食いしながら歩いている。店に入ってしまうと単に食事をしてるという雰囲気になってしまうけど、ひと混みの中を食べながら歩くとお祭り気分になれるからかな。あと、どこがおいしいのかわからないから店を選べないという理由もあるかも。
私たちもまずはすごい列ができている老祥記で豚饅頭を買いました。この店、大正四年の創業で、「ぶたまん」という呼び名の発祥の店だそうです。整理係りのおじさんが通行人の邪魔にならないよう手際よく列をさばき、たいして待たずに列は進んですぐに買えました。ここのお饅頭は小さくて(直径5㎝くらい)1個90円と安価なので、買うときは3個以上です。私たちは2個ずつ食べました。豚の脂がしみ出てくるほどジューシーでおいしかった。でもこれ、冷めたら油っこくて食べられないかもね。
少し食べたら本気でお腹がすいてきたので店に入って中華そばでも食べようと思ったのですが、どこもみんなあまり客が入ってそうになくてためらわれる。客引きがやたらとうるさいのも逆に不安。でもまあ、こんなふうに同じ料理を扱う店ばかり並んでいるんだから、まずくて食べられないような店はすぐにつぶれるだろうと考えて、レトロな洋風レンガ造りの鹿鳴荘に入っていきました。
店内は「喫茶店を居抜きで買った?」という造作で、表から見たほどロマンチックではなかったけど、注文した牡蠣入り焼きそばはご覧のとおりふっくらした牡蠣がたくさん入っていて、すごーくおいしいというわけではないけど満足しました。そばは硬いタイプ。
お腹がいっぱいになったので腹ごなしに元町商店街を歩きます。高架下の細い通路の両側に衣類や靴、アクセサリーの店がずらっと続いていますが、ほとんどは若者向けでおばさんふたりに買えそうなものはあまりない。靴はなかなかデザインのいいものがあったけど、安いから当然合成皮革で、この年になると恥ずかしくて履けないな。
歩き疲れたのでおいしいケーキ屋さんでお茶でもと思ったのですが、ガイドブックに出ているお店を2軒訪ねて、ひとつはティータイムは3時からで入れず、ひとつは満員で入れず。こうなったらどこでもいいやと通りかかったケーニヒス クローネに入ってしまいました。でも正解だったかも。すごくひさしぶりにクランツが食べられたし、これにソフトクリームとコーヒーがついて580円ってお得じゃないですか? お腹いっぱいになったけど。
商店街の端まで歩いて三宮の駅に戻り、ポートライナーでライブ会場に向かいました。ライブの様子はこちらで。
ライブが終わったのが7時半くらいで三宮駅に着いたのが8時半くらいだったかな。駅周辺はクリスマスのイルミネーションできれいでしたが、今はみんなLEDなので青とか緑とか冷たい色が多くてちょっと寒々しいですね。仕方がないことだけれど。
お昼をたくさん食べたのとライブの興奮とでふたりともそれほど食欲がなく、店に入って食事をとるのはやめてパンでも買って帰ろうと思ったのですが、この時間になるとアーケードの店もみんなシャッターが降りている。結局手ぶらでホテルに帰りつきました。
チェックインは妹にまかせてしまったのですが、やたらと長時間の説明で何事かと思いました。でもまあ後から聞くとサービスが盛りだくさんでそれも無理はなかったのですが。予約をしたレディースプランはメインダイニングルームでの朝食、WELEDAヴェレダのバスミルクセット(6種)、「エスティティックサロン ゲランパリ」20%割引優待チケットが付いてくるというのは聞いていたのですが、そのほかにクリスマスだからかバーでのフリードリンク券とお煎餅のセットもついてきました。
バーは喫煙可なので嫌煙家にはルームサービスもしてくれるという。これはうれしいかも。なにしろライブでくたくたなのですぐにでも靴を脱いでお風呂に入りたい状態。寝る前にワインは飲みたいけどバーに行く気力はありません。
部屋は予想以上によかった。すごくセンスがいいです、ここ。モダンだけれど安っぽいところがなく、機能性もしっかり考えられています。トイレが妙に広くて殺風景なのだけが違和感を覚えましたが、それ以外は家具、茶器などの選択も含めて完璧。そしてベッドの上にはフエルトでできた可愛いクリスマス仕様の小さなバッグが乗っていました。そばに置かれたカードには「お寝み前にドアノブにこれをかけてください」とあります。どうやらクリスマスプレゼントをいただけるらしい。大人でもわくわくするような趣向ですね。
ハーバービューの部屋でしたが港とホテルの間に高い建物がいくつかあるので、残念ながら絶景とは言いかねますが、それでも部屋の明かりを消すと横広の窓からの景色はロマンチックです。
バスタブもゆったり、シャワーは普通のタイプとレインシャワーの2種類あってバスタイムも充実。アメニティもシャワーキャップ以外は充実していました。パジャマはかぶり式の上着にちゃんとズボンもついていて肌ざわりのいい綿でした。バスローブは厚手のタオルだったので私は使わなかったのですが、妹によるとなかなか着心地はよかったそうです。
先ほどのドリンク券を利用してルームサービスで飲み物をとろうと電話をすると、なんとドリンク以外に前菜セットもいただけるそう。夕食抜きで寝るのに少し不安があったのでラッキーでした。届いたのはお重にきれいに盛られたスモークサーモン、フォアグラのテリーヌ、柿と生ハム、トマトとモッチャレラチーズという贅沢な内容。お風呂上りに白ワインを飲みながらいただくのには最高のおつまみです。
おかげですっかり食欲を刺激され、前日に友人からいただいた丹後のオイルサーディンの缶まで開けてしまいました。これがまた目ウロコのおいしさで、帰宅してから通販を申し込んでしまったほど。よく売られているぐずぐずの輸入物と違って、身がしっかりしまっていて油っこさも生臭さもまったくない。何もつけずにそのまま食べても実においしいのです。
お腹もふくれ、体も温まって、寝心地のいいベッドで眠る幸せよ。
翌朝、さっそくドアノブにかけておいたバッグを取り込みました。中にはゴディバのチョコレートが! すごい、太っ腹。たまたま前の日に妹が最近行ったベトナムでお土産に買ったゴディバのチョコレートをホテルの冷蔵庫に忘れてしまい悔しかった話を聞いたばかりで、あまりのタイミングの良さに感動してしまいました。
朝食に行くと昨夜は暗くて重厚に見えたダイニングルームは光にあふれた朝食堂になっています。山並みがきれいに見えて気持がいい。
だがしかし、この居心地の悪さは何?と周囲を眺めれば、部屋の中は若いカップルだらけ。季節柄でしょうねえ。カットジーンズやら腰履きパンツやら、ディズニーランドにあるホテルに来たのかと思うばかりのイマドキの若者たちがあとからあとから入ってきます。
朝食はサラダ、フルーツ、シリアル、パン、ジュースなどが並んだ冷たいビュッフェと、加熱されている温かいビュッフェのほかにお好みの卵、パンケーキ、カレーのどれかを選べるようになっています。私はスクランブルエッグ、妹はパンケーキにしました。卵の皿にはソーセージ、ベーコン、ポテトもついてきます。
私たちが席についた少し後に、カジュアルな服装の若い男と、彼よりは年上に見えるワンピース姿の女が隣のテーブルにつきました。女のほうが最初にビュッフェからあれこれとってきていたので、女らしさを印象づけようとしているのかな、初めにそれやっちゃうと男が当たり前だと思うようになって結婚してから苦労するのに、なんて余計なお世話のおばさん考えをしていたのですが、このテーブルがだんだんと異様な雰囲気に。
初めに一度だけ男も立っていったのですが、どうやら女のほうから「私がやるからあなたは座っていて」と言われたらしく席に戻ってきました。でも、ひとりで座っているので落ち着かないらしく、体を斜めにしてしきりとビュッフェテーブルにいる女のほうを見るのですが、女のほうは端から順番にすべての料理を美しく皿に盛ることに専念していてまったく戻ってきません。たまに顔を上げて男のほうを向き、完璧に化粧した顔でにっこりするのですが、また食べ物をとることに戻ってしまいます。
ひとつの皿がいっぱいになると自分たちのテーブルに運んでくるのですが、全種類とるまでは満足できないようで、またすぐにビュッフェテーブルに戻ってしまいます。そのうちに卵料理も来て、男のほうは冷めてしまう卵を前に気が気ではなく、なんとか戻ってもらおうと女のほうを見るのですが、まだそれほど長いつきあいではないのか思い切って声をかけることはできないらしい。
テーブルの上には4種類のパンを2個ずつのせた皿を初め、サラダ、フルーツ、温かいおかずをそれぞれに皿いっぱいに盛ったものがテーブル面が見えないくらい並んでいます。このあたりになると私も妹も気になってしかたがなく、隣りのテーブルとビュッフェテーブルのほうを凝視してしまいました。男も居心地が悪いでしょう。一度「料理が冷めちゃうよ」と声をかけたのに女はにっこり笑っただけでまたビュッフェテーブルに行ってしまいました。今度はシリアルを全種類とっています。これはもう完全に病気ですね。世話女房を気取っているのかもしれないけれど、相手のことやまわりの状況がまるで見えていない。
とうとう男も我慢できなくなったのか、それまでより少し語調を強めて、それでも私たちから見るとすごくやさしく「ほら、せっかくの温かい料理が冷めるからもう食べよう」と声をかけました。女のほうも思い残すことはなくなったのかにっこり笑って席につきました。もちろん卵はもう冷え固まっています。
このあたりで私たちは席を立ってしまったので、あのカップルがどの程度たいらげたのかわかりませんが、スリムなふたりだったから絶対に食べきれたとは思えない。食べ物に対する冒?だな。おそらく男は女とのつきあいを考え直したんじゃないかな。あんな人と結婚したら、すべてが彼女のペースで仕切られて大変な生活になりそう。絶対やめたほうがいい。でもまあ、そういうことがわかるから結婚を決める前にこうしてホテルに泊まるのはいいことかもしれない。
部屋に戻ってさんざん先ほどのカップルの話をしつつ荷造りをすませ、快適なホテル生活に別れを告げました。スーツケースを持ったまま市役所前からシティループバスに乗りました。1日乗り降り自由券は650円ですが、ふたりとも1時間くらいしかゆとりがないのでひと乗り250円でとりあえずぐるっと車内から神戸の町を眺めることに。1周52分だそうだからぴったりです。コースは以下の通り。
市役所前⇒元町商店街⇒メリケンパーク⇒中突堤(ポートタワー前)⇒ハーバーランド⇒みなと元町駅前⇒南京町⇒旧居留地⇒三宮センター街⇒北野工房のまち⇒北野坂⇒北野異人館⇒神戸布引ハーブ園⇒新神戸駅⇒三宮駅前
乗ったときは空いていたのにメリケンパークや北野異人館あたりでどっと乗ってきて、スーツケースを持った私はいい迷惑(座席の前が狭くてスーツケースが入らず通路をふさぐことに)でした。駅のコインロッカーに預けていけばよかった。バスの中からだと思うように写真も撮れないし、これはやはり一日乗車券で降りたり乗ったりして一日ゆっくりかけて観光すべきですね。まあ、ふたりとも前日の強行軍で疲れてしまい体力が残ってなかったという事情もあるのですが。
飛行機で帰る妹と三宮の駅で別れ、新快速で京都へ。途中下車して病院に行き、どこにも寄らずに駅に戻って自由席券を指定席券に変更。京のおばんざい弁当を買って新幹線に乗りました。ああ、遊んだ!
by timeturner
| 2011-12-25 20:56
| 旅行
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