2011年 07月 31日
図書館危機 |
前巻で「王子様」の正体がわかってしまい動揺する笠原郁をさらに追い詰めるような指令がおりた。メディア良化委員会を公然と糾弾するような絵画が優秀作に選ばれたコンクールの展示が茨城県立美術館と県立図書館合同イベントとして開催されることになり、防衛力が弱体化している茨城県側からの要請で図書特殊部隊が応援に行くことになったのだ。そこは郁の実家の近くで、まだ親に特殊部隊勤務を打ち明けていない郁にとっては鬼門の地だ・・・。
前巻でちょっとがっかりしたところでしたが、今回は文句なく楽しかった。章ごとにいろいろな事件が起きるのですが、その設定も展開もバラエティに富んでいて説得力がある。荒唐無稽な基本設定の話ではありますが、こういうこともあり得るなあとうなずかせるだけのものがあります。
いちばんの楽しみどころはこの作者の売りである戦闘シーンで、これが少なかったので(というかほとんどなかった)前巻が楽しめなかったことを作者も反省したかのように郁を暴れさせてくれます。郁と堂上のカップルの進展もさることながら、他のキャラクターたちにもそれぞれに相手をあてがうあたりはちょっとサービスしすぎの感もありますが、まあ読者対象を考えれば恋愛要素は欠かせないのでしょう。
ひとつだけ不満があるとすれば、その恋愛要素を強調するためか今回やたらと郁が泣くこと。向こう気の強い武闘派女子がごくたまに泣くのは可愛くて効果的だけど、こうしょっちゅうではげんなりします。こういうのが今の若い子の好みなのかなあ。
作者:有川 浩
出版社:メディアワークス
ISBN:4840237743
前巻でちょっとがっかりしたところでしたが、今回は文句なく楽しかった。章ごとにいろいろな事件が起きるのですが、その設定も展開もバラエティに富んでいて説得力がある。荒唐無稽な基本設定の話ではありますが、こういうこともあり得るなあとうなずかせるだけのものがあります。
いちばんの楽しみどころはこの作者の売りである戦闘シーンで、これが少なかったので(というかほとんどなかった)前巻が楽しめなかったことを作者も反省したかのように郁を暴れさせてくれます。郁と堂上のカップルの進展もさることながら、他のキャラクターたちにもそれぞれに相手をあてがうあたりはちょっとサービスしすぎの感もありますが、まあ読者対象を考えれば恋愛要素は欠かせないのでしょう。
ひとつだけ不満があるとすれば、その恋愛要素を強調するためか今回やたらと郁が泣くこと。向こう気の強い武闘派女子がごくたまに泣くのは可愛くて効果的だけど、こうしょっちゅうではげんなりします。こういうのが今の若い子の好みなのかなあ。
作者:有川 浩
出版社:メディアワークス
ISBN:4840237743
by timeturner
| 2011-07-31 17:51
| 和書
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