2011年 06月 22日
ハリスおばさんに花束を |
ロンドンで通いの家政婦として真面目に働くハリスおばさんは、ある日、勤め先で貴族の夫人のディオールのドレスを目にし、心を奪われてしまった。苦労に苦労を重ねてお金をつくったおばさんは、初めての飛行機で初めてのパリに行き、憧れのディオールの店に到着したのだが・・・。現在は『ハリスおばさんパリへ行く』というタイトルで売られています。
本の整理をしていたらつい読み始めてしまい、すっかり引き込まれて最後まで。やっぱりギャリコの書く話はほのぼのしていて、それでいて人生の苦さもちゃんと描いていて、なんともいえずいいですね。いくらおばさんの性格がいいからって、こんなに巧くいくはずはないとわかっていても、本を読んでいる間だけでも人の善意やハッピーエンドを素直に信じられるのは幸せなことです。
そして、豚小屋のような勤め先を毎日きれいに掃除することに誇りを感じるハリスおばさんを少しは見習いたいと、妙なところで決心する私なのでした。
ところで、これを読み直したのは2、3日前で、きょう、翻訳クラスの春学期最終日記念の食事会がCucina Hirataであったのですが、偶然クラスメイトのひとりがギャリコの名前を出したので、大いに盛り上がってしまいました。あまりにタイミングがよくてびっくり。
Cucina Hirata は前にクラスのあとよく行っていた Vino Hirata の階上にある姉妹店で、こちらのほうが少し高級。Vino Hirata がランチタイムの営業をやめてしまったのでずっとご無沙汰だったのですが、ひさしぶりに食事をして「ああ、ここってすごくおいしい店だったんだ!」と思い出しました。もっとも Vino Hirata は1200円のランチでしたが、ここはいちばん安いコースが1800円ですから、そうそうしょっちゅうは行けません。
きょういただいた1800円のコースは季節のサラダとパスタのコースでしたが、ちゃんと飲み物とデザート(パイナップルのシャーベット、バナナケーキ、ピスタチオのチーズケーキの3種盛り)と飲み物、それにおいしい各種のパンとオリーブ油もついています。
おまけにサラダが驚きのボリューム。野菜もロケットサラダほかの葉物は数種類、ミニトマト、赤かぶ、セロリのほかにジュンサイまで入って、さらに白身魚のフリッターが何切れも乗っていて、これだけでおなかいっぱいになってしまうほど(皿の縁に黄色い粒状のものが飾ってあったのですが、聞いたらなんとカラスミだそうで)。その分パスタは少なめでしたが。
私が選んだパスタは生ハムと黒こしょうのスパゲッティで、名前だけ聞くとどうってことないと思うのですが、これがもう至福のおいしさ。何が違うんだろう? 素材を吟味してあるのは当然ですが、生ハムにからめてあるドレッシングのようなソースが普通じゃないのね。あれ、もう一度食べたい! でも、隣りの人が食べてたゴルゴンゾーラのパスタもおいしそうだった。この店は本当にオススメです!
あれ、本の感想より食べ物の感想のほうが長くなっちゃった(^^;)。
原題:Flowers for Mrs. Harris(Mrs. Harris Goes to Paris)
作者:ポール・ギャリコ
訳者:高松二郎
出版社:早川書房
ISBN:なし
本の整理をしていたらつい読み始めてしまい、すっかり引き込まれて最後まで。やっぱりギャリコの書く話はほのぼのしていて、それでいて人生の苦さもちゃんと描いていて、なんともいえずいいですね。いくらおばさんの性格がいいからって、こんなに巧くいくはずはないとわかっていても、本を読んでいる間だけでも人の善意やハッピーエンドを素直に信じられるのは幸せなことです。
そして、豚小屋のような勤め先を毎日きれいに掃除することに誇りを感じるハリスおばさんを少しは見習いたいと、妙なところで決心する私なのでした。
ところで、これを読み直したのは2、3日前で、きょう、翻訳クラスの春学期最終日記念の食事会がCucina Hirataであったのですが、偶然クラスメイトのひとりがギャリコの名前を出したので、大いに盛り上がってしまいました。あまりにタイミングがよくてびっくり。
Cucina Hirata は前にクラスのあとよく行っていた Vino Hirata の階上にある姉妹店で、こちらのほうが少し高級。Vino Hirata がランチタイムの営業をやめてしまったのでずっとご無沙汰だったのですが、ひさしぶりに食事をして「ああ、ここってすごくおいしい店だったんだ!」と思い出しました。もっとも Vino Hirata は1200円のランチでしたが、ここはいちばん安いコースが1800円ですから、そうそうしょっちゅうは行けません。
きょういただいた1800円のコースは季節のサラダとパスタのコースでしたが、ちゃんと飲み物とデザート(パイナップルのシャーベット、バナナケーキ、ピスタチオのチーズケーキの3種盛り)と飲み物、それにおいしい各種のパンとオリーブ油もついています。
おまけにサラダが驚きのボリューム。野菜もロケットサラダほかの葉物は数種類、ミニトマト、赤かぶ、セロリのほかにジュンサイまで入って、さらに白身魚のフリッターが何切れも乗っていて、これだけでおなかいっぱいになってしまうほど(皿の縁に黄色い粒状のものが飾ってあったのですが、聞いたらなんとカラスミだそうで)。その分パスタは少なめでしたが。
私が選んだパスタは生ハムと黒こしょうのスパゲッティで、名前だけ聞くとどうってことないと思うのですが、これがもう至福のおいしさ。何が違うんだろう? 素材を吟味してあるのは当然ですが、生ハムにからめてあるドレッシングのようなソースが普通じゃないのね。あれ、もう一度食べたい! でも、隣りの人が食べてたゴルゴンゾーラのパスタもおいしそうだった。この店は本当にオススメです!
あれ、本の感想より食べ物の感想のほうが長くなっちゃった(^^;)。
作者:ポール・ギャリコ
訳者:高松二郎
出版社:早川書房
ISBN:なし
by timeturner
| 2011-06-22 22:58
| 和書
|
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