2011年 06月 08日
写楽展@東京国立博物館 |
東日本大震災の影響で開催延期となった写楽展が1ヶ月遅れで始まっていることをつい先日友人から聞いて、見たらもう今週末までじゃないですか。あわてて行ってきました。
きょうは小雨のぐずついたお天気だったので空いているんじゃないかと期待したのですが、国立博物館についたときには雨はやみ、太陽が明るく照り始めました。それを待っていたかのように会場に向かう人が後から後からやってきます。それでも先日の平山郁夫展のときみたいに入場待ちの列などはなかったのでまだマシだったのでしょう。
だが、しかし、大きな平山郁夫の作品と違い、1枚1枚が小ぶりな浮世絵は先日のレンブラントの版画同様、近くで見てなんぼ、のものです。会場に入るなり1枚ごとに黒山の人だかりができているのを目にして気が遠くなりました。が、入ったのが2:30だったので、閉館時間の5時に近くなれば少しは空くだろうと、会場奥の少しは空いているところから見始めて、なんとか3:30までに第一会場はクリア。今回は第二会場が「写楽の全貌」で目玉なのです。
時間が遅かったせいか、第一会場と第二会場の間にグッズ売場などのスペースを設けてあるので第一会場だけで終りだと思って帰ってしまった人たちがいたのか(まさか?)、第二会場はずっと空いていて、わりあいゆっくりじっくり見ることができました。第二会場から第一会場に戻ることもできますので、これから行かれる方はもしかしたら第二会場から先に見るほうがいいかもしれない。
寛政6年(1794年)5月に役者大首絵28図で衝撃のデビューを飾り、その後10ヶ月の間に140図以上の版画を発表すると忽然と姿を消した謎の浮世絵師、東洲斎写楽をメインにした展覧会で、国内外からほとんどすべての作品を集めた充実のラインアップです。10ヶ月の間、第1期から第4期まで、4回に分けて作品(というか当時は商品)が発表されたのですが、その順番に展示されているのがわかりやすかった。
写楽と同時代の他の絵師たちが同じ役者を描いたものを並べて展示してあったのも◎。同じ顔なのに絵師によってつかみどころが違って、その結果役者の印象も変わってくるのが不思議です。でもまあ、きれいな役者は誰が描いてもきれいだし、その逆もまたしかりではあるんですけどね。そして、ただきれいな役者より、脇役のコミックリリーフ的な役者のほうが絵にしたときは面白い。「二代目嵐龍 蔵の金かし石部の金吉」なんて思わずぷっと吹いてしまったほどです。
なんといってもインパクトが強いのは第1期の役者大首絵です。それまでの役者をひたすら美しく凛々しく描いていたものと違い、実在の役者をリアルに描いたところが当時の人びとに衝撃を与えたそうなのですが、確かにそれぞれの役者の演技の種類、幅まで見えてくるようです。女形がどう見ても男にしか見えないのも面白い。これはファンの目からするとどうだったんだろうなあ。逆に写楽がいま生きていて玉三郎を描いたら、歌麿の絵みたいになったんだろうか?
第2期以降は顔のアップではなく、全身像になるのですが、ここからは描かれている芝居や狂言の内容(あらすじ)が紹介されているので、単に絵として見るだけでなく、芝居のプログラムの挿絵のように楽しめます。私は第3期の背景が描きこまれるようになったものがけっこう好きかも。第4期になると線もおおざっぱで雑な印象がしてしまいました。なんだか絵師本人にもうやる気がなくなったような。一体なにがあったのでしょう・・・。
写楽以外では喜多川歌麿の美人絵が数点あったのがよかった。リアルな男の絵ばかりだと殺伐としますからね。北斎は2点だけで、しかもかなり地味な絵ですが、これがいいんだなあ。北斎と知らずに見て思わずひきこまれ、クレジットを見てああやっぱりと思いました。どこがどうと言えないんですが、コンポジションかなあ。
原宿の太田記念美術館では妖怪の絵で知られる歌川国芳の展覧会を開催中のようです。これも行かなくては!
きょうは小雨のぐずついたお天気だったので空いているんじゃないかと期待したのですが、国立博物館についたときには雨はやみ、太陽が明るく照り始めました。それを待っていたかのように会場に向かう人が後から後からやってきます。それでも先日の平山郁夫展のときみたいに入場待ちの列などはなかったのでまだマシだったのでしょう。
だが、しかし、大きな平山郁夫の作品と違い、1枚1枚が小ぶりな浮世絵は先日のレンブラントの版画同様、近くで見てなんぼ、のものです。会場に入るなり1枚ごとに黒山の人だかりができているのを目にして気が遠くなりました。が、入ったのが2:30だったので、閉館時間の5時に近くなれば少しは空くだろうと、会場奥の少しは空いているところから見始めて、なんとか3:30までに第一会場はクリア。今回は第二会場が「写楽の全貌」で目玉なのです。
時間が遅かったせいか、第一会場と第二会場の間にグッズ売場などのスペースを設けてあるので第一会場だけで終りだと思って帰ってしまった人たちがいたのか(まさか?)、第二会場はずっと空いていて、わりあいゆっくりじっくり見ることができました。第二会場から第一会場に戻ることもできますので、これから行かれる方はもしかしたら第二会場から先に見るほうがいいかもしれない。
寛政6年(1794年)5月に役者大首絵28図で衝撃のデビューを飾り、その後10ヶ月の間に140図以上の版画を発表すると忽然と姿を消した謎の浮世絵師、東洲斎写楽をメインにした展覧会で、国内外からほとんどすべての作品を集めた充実のラインアップです。10ヶ月の間、第1期から第4期まで、4回に分けて作品(というか当時は商品)が発表されたのですが、その順番に展示されているのがわかりやすかった。
写楽と同時代の他の絵師たちが同じ役者を描いたものを並べて展示してあったのも◎。同じ顔なのに絵師によってつかみどころが違って、その結果役者の印象も変わってくるのが不思議です。でもまあ、きれいな役者は誰が描いてもきれいだし、その逆もまたしかりではあるんですけどね。そして、ただきれいな役者より、脇役のコミックリリーフ的な役者のほうが絵にしたときは面白い。「二代目嵐龍 蔵の金かし石部の金吉」なんて思わずぷっと吹いてしまったほどです。
なんといってもインパクトが強いのは第1期の役者大首絵です。それまでの役者をひたすら美しく凛々しく描いていたものと違い、実在の役者をリアルに描いたところが当時の人びとに衝撃を与えたそうなのですが、確かにそれぞれの役者の演技の種類、幅まで見えてくるようです。女形がどう見ても男にしか見えないのも面白い。これはファンの目からするとどうだったんだろうなあ。逆に写楽がいま生きていて玉三郎を描いたら、歌麿の絵みたいになったんだろうか?
第2期以降は顔のアップではなく、全身像になるのですが、ここからは描かれている芝居や狂言の内容(あらすじ)が紹介されているので、単に絵として見るだけでなく、芝居のプログラムの挿絵のように楽しめます。私は第3期の背景が描きこまれるようになったものがけっこう好きかも。第4期になると線もおおざっぱで雑な印象がしてしまいました。なんだか絵師本人にもうやる気がなくなったような。一体なにがあったのでしょう・・・。
写楽以外では喜多川歌麿の美人絵が数点あったのがよかった。リアルな男の絵ばかりだと殺伐としますからね。北斎は2点だけで、しかもかなり地味な絵ですが、これがいいんだなあ。北斎と知らずに見て思わずひきこまれ、クレジットを見てああやっぱりと思いました。どこがどうと言えないんですが、コンポジションかなあ。
原宿の太田記念美術館では妖怪の絵で知られる歌川国芳の展覧会を開催中のようです。これも行かなくては!
by timeturner
| 2011-06-08 18:32
| 美術
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