2011年 04月 07日
フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展@Bunkamura ザ・ミュージアム |
地震と停電の影響で金曜と土曜の夜間開館は当分見合わせということなので、午前中に行ってみました。10時開館のところを10時30分に入ったのですが、ちょうど混み始めたところで、後から後から入ってくる人で入口付近は大混雑。思い切って最初の2部屋は後で戻ることにして、すっとばして見始めました。正解だったみたい。フェルメールの「地理学者」がある部屋に着いたら絵の前には2、3人しかいない。すぐに真正面に立てたし特に後ろに並ぶ人もいないので好きなだけじっくり見ることができました。
ただし、柵があるので1メートルくらい離れたところからしか見られません。照明も暗めなので、先日のレクチャーで小林頼子さんが説明してくれた細かいチェックポイントがよく見えませんでした。小林さんは瞳の描き方がとてもシンプルとおっしゃっていて、私もドイツで見たときに「たったひとつの白い点だけでこんな夢見る表情が出せるなんて」と感嘆した記憶があるので再確認したかったのですが、目が悪くなっていることもあり、まるで見えませんでした。
でもまあ、日本で見たフェルメールの中ではいちばんゆっくりと、時間を気にせず見られた作品だと言えるでしょう。女性の絵でないと特に男性客は興味をひかれないのかな?
今回はフェルメール展ではなくシュテーデル美術館展ですから、フェルメールの作品は1点だけです。それを補うために絵の中に描かれているのと同じ時代の地球儀や地図、ディバイダーなどが展示されていました。特にG.ファルクのヨーロッパ図がとても美しく、もっとすいていたら30分くらいかけて隅から隅まで見たかったところ。ヨーロッパがメインに描かれてはいるのですが、右端まで見ていくと日本もちゃんとある。ただし、北海道がユーラシア大陸とくっついていて妙な形。(作品解説をよく見たらヨーロッパ図の展示は4月12日までで、その後は同じG.ファルクのアジア図になるようです)
フェルメール以外の絵は歴史画・寓意画、肖像画、風俗画・室内画、静物画、地誌・風景画とジャンル別に分かれていて、最後の風景画が数的にはいちばん多かった。でも、印象に残ったのはやはり寓意画、肖像画、風俗画かな。寓意画ではルーベンスの「竪琴を弾くダヴィデ王」もよかったけど、強烈なのは「ネズミのダンス」(フェルディナント・ファン・ケッセルに帰属)。4匹のネズミが後ろ脚で立ち、前脚をつないで踊っているところがものすごーくリアルに描かれています。気持ち悪いのですが同時に可愛い。キモ可愛いってこういうのを指すんでしょうか。「猫が家の外にいるとネズミがダンスを踊る」という諺を絵にしているんですって。後ろに動物のようなものが寝そべっているように見えるのですが、あれは何だろう?
肖像画のところでレンブラントの「マールトヘン・ファン・ビルダーベークの肖像」とともに目を引いたのはフェルディナント・ボルの「若い男の肖像」ですが、この人、レンブラントの弟子ということで映画「レンブラントの夜警」にカレル・ファブリティウス(マイケル・テイゲン)、ヘリット・ダウ(トビー・ジョーンズ)と一緒に出ていました(ジョナサン・ホームズが演じてた)。
フランドル絵画らしい風俗画ではカラヴァジオに影響を受けた、いわゆるカラヴァジストらしい作品がいくつかあって、ディルク・ファン・バーブレンの「歌う若い男」やアドリアーン・ブラウエルの「苦い飲み物」などはかなり強烈な印象を与えます。
12時くらいに出たのですが、混み具合はそれほど変わりませんでした。閉館近くなると少しすくのかもしれません。もう一度行くつもりなので、今度は夕方かな。
フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展は5月22日まで。
美術展を見たあと、同じBunkamuraで「わたしを離さないで」を見ることにし、ミュージアムに入る前に13:50の回のチケットを買っておきました。それが始まるまで、前に友人から教えてもらっていた近くの松涛カフェでシフォンケーキ(この店では松涛ケーキと呼ばれている)で「松涛ケーキ+シナモンアップルジャム+もりもり生クリーム」をお昼がわりに。妙にフレンドリーなマスターでちょっと意表をつかれましたが、ケーキは予想以上のボリュームで大満足。「そのまま? 焼く?」と聞かれたので、「へ?シフォンケーキを焼く?」と思ったのですが、珍しいので焼いてもらいました。これが意外にいけた。思うに、少し古くなってしまったときにいいんじゃないかしら(^^;)。写真からはよくわかりませんが、「もりもり生クリーム」というのは本当に盛り盛りだった。
ただし、柵があるので1メートルくらい離れたところからしか見られません。照明も暗めなので、先日のレクチャーで小林頼子さんが説明してくれた細かいチェックポイントがよく見えませんでした。小林さんは瞳の描き方がとてもシンプルとおっしゃっていて、私もドイツで見たときに「たったひとつの白い点だけでこんな夢見る表情が出せるなんて」と感嘆した記憶があるので再確認したかったのですが、目が悪くなっていることもあり、まるで見えませんでした。
でもまあ、日本で見たフェルメールの中ではいちばんゆっくりと、時間を気にせず見られた作品だと言えるでしょう。女性の絵でないと特に男性客は興味をひかれないのかな?
今回はフェルメール展ではなくシュテーデル美術館展ですから、フェルメールの作品は1点だけです。それを補うために絵の中に描かれているのと同じ時代の地球儀や地図、ディバイダーなどが展示されていました。特にG.ファルクのヨーロッパ図がとても美しく、もっとすいていたら30分くらいかけて隅から隅まで見たかったところ。ヨーロッパがメインに描かれてはいるのですが、右端まで見ていくと日本もちゃんとある。ただし、北海道がユーラシア大陸とくっついていて妙な形。(作品解説をよく見たらヨーロッパ図の展示は4月12日までで、その後は同じG.ファルクのアジア図になるようです)
フェルメール以外の絵は歴史画・寓意画、肖像画、風俗画・室内画、静物画、地誌・風景画とジャンル別に分かれていて、最後の風景画が数的にはいちばん多かった。でも、印象に残ったのはやはり寓意画、肖像画、風俗画かな。寓意画ではルーベンスの「竪琴を弾くダヴィデ王」もよかったけど、強烈なのは「ネズミのダンス」(フェルディナント・ファン・ケッセルに帰属)。4匹のネズミが後ろ脚で立ち、前脚をつないで踊っているところがものすごーくリアルに描かれています。気持ち悪いのですが同時に可愛い。キモ可愛いってこういうのを指すんでしょうか。「猫が家の外にいるとネズミがダンスを踊る」という諺を絵にしているんですって。後ろに動物のようなものが寝そべっているように見えるのですが、あれは何だろう?
肖像画のところでレンブラントの「マールトヘン・ファン・ビルダーベークの肖像」とともに目を引いたのはフェルディナント・ボルの「若い男の肖像」ですが、この人、レンブラントの弟子ということで映画「レンブラントの夜警」にカレル・ファブリティウス(マイケル・テイゲン)、ヘリット・ダウ(トビー・ジョーンズ)と一緒に出ていました(ジョナサン・ホームズが演じてた)。
フランドル絵画らしい風俗画ではカラヴァジオに影響を受けた、いわゆるカラヴァジストらしい作品がいくつかあって、ディルク・ファン・バーブレンの「歌う若い男」やアドリアーン・ブラウエルの「苦い飲み物」などはかなり強烈な印象を与えます。
12時くらいに出たのですが、混み具合はそれほど変わりませんでした。閉館近くなると少しすくのかもしれません。もう一度行くつもりなので、今度は夕方かな。
フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展は5月22日まで。
美術展を見たあと、同じBunkamuraで「わたしを離さないで」を見ることにし、ミュージアムに入る前に13:50の回のチケットを買っておきました。それが始まるまで、前に友人から教えてもらっていた近くの松涛カフェでシフォンケーキ(この店では松涛ケーキと呼ばれている)で「松涛ケーキ+シナモンアップルジャム+もりもり生クリーム」をお昼がわりに。妙にフレンドリーなマスターでちょっと意表をつかれましたが、ケーキは予想以上のボリュームで大満足。「そのまま? 焼く?」と聞かれたので、「へ?シフォンケーキを焼く?」と思ったのですが、珍しいので焼いてもらいました。これが意外にいけた。思うに、少し古くなってしまったときにいいんじゃないかしら(^^;)。写真からはよくわかりませんが、「もりもり生クリーム」というのは本当に盛り盛りだった。
by timeturner
| 2011-04-07 19:45
| 美術
|
Comments(2)
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by
たら
at 2011-04-08 14:44
x
行かれたのですね~。フェルメールの実物、たぶんルーブルで見ていると思うのです。ですが、悪い観光客の最たる者的鑑賞時間しかとれなかったので、『なんか、こういう壁にあった気がする。綺麗だと思ったけど...。』程度の記憶っぷり。トホ。
『真珠の~』が映画とともにブームになった時のTVの特番で、実際近付いてみると、実にシンプルな描写で驚かされると解説されていたものがありました。きっちり描き込めば空気感まで出せるというものでもないんですよねぇ。絵画って不思議。
ん~~~おやつ時に見てしまって目に毒なシフォンケーキ(笑)
『真珠の~』が映画とともにブームになった時のTVの特番で、実際近付いてみると、実にシンプルな描写で驚かされると解説されていたものがありました。きっちり描き込めば空気感まで出せるというものでもないんですよねぇ。絵画って不思議。
ん~~~おやつ時に見てしまって目に毒なシフォンケーキ(笑)
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timeturner at 2011-04-08 20:40
たらさん
ルーブルにあるのは「レースを編む少女」と、今回の「地理学者」と対になる「天文学者」ですよね。「レースを編む少女」は思っていたよりも小さくて、初めて見たときびっくりしました。
フェルメールを展示している部屋は行くたびに変わっているような気がします。最初に行ったときはまだフェルメール・ブームになる前だったので、端のほうの回廊のような小部屋でした。
ルーブルにあるのは「レースを編む少女」と、今回の「地理学者」と対になる「天文学者」ですよね。「レースを編む少女」は思っていたよりも小さくて、初めて見たときびっくりしました。
フェルメールを展示している部屋は行くたびに変わっているような気がします。最初に行ったときはまだフェルメール・ブームになる前だったので、端のほうの回廊のような小部屋でした。