2011年 03月 28日
英国に就て |
吉田茂の長男で小学校から中学まではヨーロッパで暮らし、18歳でケンブリッジに留学という経歴から英国に長く暮らした経験があるのかと思っていたのですが、英国で暮らしたのは小学生の頃ロンドンで1、2年、ケンブリッジで1年だけで(中退して帰国)、その後は旅行で訪れていただけなのですね。もちろん英語に不自由はしなかったわけですが、英国に暮らして初めてわかることについては、読者とそれほど変わらないスタンスだったようです。
だから、英国や英国人について語るとき、それはあくまでも吉田健一が目にしたもの、会った人から得た印象を元にしたものになるわけで、中には時代遅れだったり、そもそもが勘違いだったりするものもあるように思えました。
まあでも、書かれていることが正確であるかどうかよりも、そうしたテーマを通して展開される吉田健一という文化人の物の見方を楽しむのがこの本の読み方なのかも。「ヴィクトリア風」についての一文などは幅広い教養と観察眼の鋭さがある彼ならではの分析が興味深い。
過去に書いたエッセイを集めたものなので重複もあり、全体的なまとまりに欠けるのと、独特の回りくどい書き方とで、読むのにけっこう時間がかかりました。図書館で期間延長をしてようやく読み終えた。一気に読み終えるのではなく、気がむいたときに気になるテーマの文をピックアップして、少しずつ読むような本ですね。まあ、だからといって買って手元に置いておくほどのものでもないと思うけど。
作者:吉田健一
出版社:筑摩書房
ISBN:4480029036
だから、英国や英国人について語るとき、それはあくまでも吉田健一が目にしたもの、会った人から得た印象を元にしたものになるわけで、中には時代遅れだったり、そもそもが勘違いだったりするものもあるように思えました。
まあでも、書かれていることが正確であるかどうかよりも、そうしたテーマを通して展開される吉田健一という文化人の物の見方を楽しむのがこの本の読み方なのかも。「ヴィクトリア風」についての一文などは幅広い教養と観察眼の鋭さがある彼ならではの分析が興味深い。
過去に書いたエッセイを集めたものなので重複もあり、全体的なまとまりに欠けるのと、独特の回りくどい書き方とで、読むのにけっこう時間がかかりました。図書館で期間延長をしてようやく読み終えた。一気に読み終えるのではなく、気がむいたときに気になるテーマの文をピックアップして、少しずつ読むような本ですね。まあ、だからといって買って手元に置いておくほどのものでもないと思うけど。
作者:吉田健一
出版社:筑摩書房
ISBN:4480029036
by timeturner
| 2011-03-28 21:22
| 和書
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