2011年 01月 26日
闇の中で |
原典を読む際の参考にしようと買ったのですが、これがもう誤訳だらけ。
デリーの町のカトリック系労働者の娘がnewsagentで働いているといえば、新聞や雑誌も置いている雑貨店だとふつうは思うところを「通信社」と訳しているくらいはどうってことはないのですが(ちょっと恥ずかしいけど)、もっと本質的な文脈の読み違えで実際に書かれているのと正反対のことを言っている(これはクラスメイトにもアイルランド人の先生にも確認したので確か)ことが多く、作品の内容がまったく別のものになってしまいそうです。
誰かが、すぐれた作品はどんなに下手な翻訳者が訳してもみんなに読まれてヒットするし、その逆も真なりと書いていましたが、ここまでの誤訳だと文章の巧い下手ではなく(けっこう巧いからよけいに始末が悪い)作品の質も落としてしまうんじゃないかと思えます。
闇の中で
原題:Reading in the Dark
作者:シェイマス・ディーン
訳者:横山貞子
出版社:晶文社
ISBN:4794963998
デリーの町のカトリック系労働者の娘がnewsagentで働いているといえば、新聞や雑誌も置いている雑貨店だとふつうは思うところを「通信社」と訳しているくらいはどうってことはないのですが(ちょっと恥ずかしいけど)、もっと本質的な文脈の読み違えで実際に書かれているのと正反対のことを言っている(これはクラスメイトにもアイルランド人の先生にも確認したので確か)ことが多く、作品の内容がまったく別のものになってしまいそうです。
誰かが、すぐれた作品はどんなに下手な翻訳者が訳してもみんなに読まれてヒットするし、その逆も真なりと書いていましたが、ここまでの誤訳だと文章の巧い下手ではなく(けっこう巧いからよけいに始末が悪い)作品の質も落としてしまうんじゃないかと思えます。
闇の中で
原題:Reading in the Dark
作者:シェイマス・ディーン
訳者:横山貞子
出版社:晶文社
ISBN:4794963998
by timeturner
| 2011-01-26 17:41
| 和書
|
Comments(2)
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by
atsuko
at 2011-01-27 09:43
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全く逆の内容とは!そういうのって、日本語で読むしか(とか、字幕で読むしか)ない人たちには、大変な事件ですね。でも、いろんな言葉で同じ本を読むのは、楽しいですね。私も、オランダ語の小説(原作は英語)をちゃんと読めてるか不安だったので日本語でも読んでみたとき、チェックだけでなく、それ自体も面白かったですから。朝カルのクラスも楽しそうですね~。知的に楽しそう!
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by
shoh
at 2011-01-27 18:41
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atsukoさん
戸田奈津子さんの字幕でよく取りざたされた誤訳・迷訳ですが、文学作品でもこれほどの例があるとは思っていなかったので驚きました。だからといって、なにもかも原書と比較するわけにはいきませんし、第一、楽しみであるはずの読書が別のものになってしまうからしたくない。多少違ってても問題ないエンタメ系は翻訳で、純文学に近いものは原書で、というふうに読みわけるのがいいのかしら。
朝カルの授業は先生とクラスメイトの質に大きく左右されると思います。クラスメイトは皆さんもう10~20年続けている方ばかりで、私なんかよりはるかに学力が高いので、引っ張ってもらえてありがたいのですが、先生はけっこう短期間に代わってしまうらしく、以前はあまり適性がない(英語が母国語だというだけで文学に興味・知識がない)人が続き、今の先生が過去最高なのだそうです。その先生が辞められた後の先生がどうなるかによって継続するかどうするか決まると思います。
戸田奈津子さんの字幕でよく取りざたされた誤訳・迷訳ですが、文学作品でもこれほどの例があるとは思っていなかったので驚きました。だからといって、なにもかも原書と比較するわけにはいきませんし、第一、楽しみであるはずの読書が別のものになってしまうからしたくない。多少違ってても問題ないエンタメ系は翻訳で、純文学に近いものは原書で、というふうに読みわけるのがいいのかしら。
朝カルの授業は先生とクラスメイトの質に大きく左右されると思います。クラスメイトは皆さんもう10~20年続けている方ばかりで、私なんかよりはるかに学力が高いので、引っ張ってもらえてありがたいのですが、先生はけっこう短期間に代わってしまうらしく、以前はあまり適性がない(英語が母国語だというだけで文学に興味・知識がない)人が続き、今の先生が過去最高なのだそうです。その先生が辞められた後の先生がどうなるかによって継続するかどうするか決まると思います。