2010年 12月 16日
さらば、愛しき鉤爪 |
ヴィンセント・ルビオはクールな私立探偵。本当はヴェロキラプトルだが人間の皮をかぶって暮らしている。地球上には人間になりすました恐竜がかなりの数いるのだが、厳密なルールを定め、決してヒトには嗅ぎ付けられないようにしている。だが、不審な交通事故死をした相棒アーニーのことを調べているうちに恐竜とヒトの境界を危うくするような事件が次々に起こる・・・。
きゃあ、本当に面白かった! 前から読みたいと思ってはいたのですが、あまりにもアイディアが素晴らしいので中身が負けてたらやだなと思って手が出せずにいたんです。でも、そんな心配は杞憂に終わりました。
なんかもう最初から最後まで荒唐無稽であほらしいんだけど、その姿勢を断固として崩さないのがいい。こういうのってちょっとでも途中で作者が「俺は馬鹿なことをしてるんじゃないだろうか?」という不安を抱いてしまったら終わりなんですよね。
そもそも体の大きさも形もまるで違う恐竜が、いくらポリ系樹脂の質が向上したからといってヒトの皮をかぶって人間そっくりになれるわけがないじゃない。それにそこまで苦労して人間に合わせる意味もないし(^^;)。でもまあそういう理屈はまるで関係なくなるんですよね、読んでると。面白ければいいじゃないかって。
恐竜とヒトのギャップで右往左往するところはかなり笑えるのに、いかにもハードボイルドな部分は従来の探偵物そのままってところもおかしい。ハンフリー・ボガートが実は恐竜だった、みたいな感じ? 恐竜同士で血みどろの肉弾戦になるシーンがあるんですが、そこで妙に感動してしまった自分がおかしかったです。
さらば、愛しき鉤爪 (ヴィレッジブックス)
原題:Anonymous Rex
作者:エリック・ガルシア
訳者:酒井昭伸
出版社:ヴィレッジブックス
ISBN:478971769
きゃあ、本当に面白かった! 前から読みたいと思ってはいたのですが、あまりにもアイディアが素晴らしいので中身が負けてたらやだなと思って手が出せずにいたんです。でも、そんな心配は杞憂に終わりました。
なんかもう最初から最後まで荒唐無稽であほらしいんだけど、その姿勢を断固として崩さないのがいい。こういうのってちょっとでも途中で作者が「俺は馬鹿なことをしてるんじゃないだろうか?」という不安を抱いてしまったら終わりなんですよね。
そもそも体の大きさも形もまるで違う恐竜が、いくらポリ系樹脂の質が向上したからといってヒトの皮をかぶって人間そっくりになれるわけがないじゃない。それにそこまで苦労して人間に合わせる意味もないし(^^;)。でもまあそういう理屈はまるで関係なくなるんですよね、読んでると。面白ければいいじゃないかって。
恐竜とヒトのギャップで右往左往するところはかなり笑えるのに、いかにもハードボイルドな部分は従来の探偵物そのままってところもおかしい。ハンフリー・ボガートが実は恐竜だった、みたいな感じ? 恐竜同士で血みどろの肉弾戦になるシーンがあるんですが、そこで妙に感動してしまった自分がおかしかったです。
さらば、愛しき鉤爪 (ヴィレッジブックス)
原題:Anonymous Rex
作者:エリック・ガルシア
訳者:酒井昭伸
出版社:ヴィレッジブックス
ISBN:478971769
by timeturner
| 2010-12-16 18:49
| 和書
|
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