2010年 07月 10日
それでも、日本人は「戦争」を選んだ |
歴史学者の加藤陽子さんが、横浜・栄光学園の歴史研究部の生徒を相手に、日清戦争から太平洋戦争までの近現代の日本の戦争史を5日間、集中講義したものをまとめた本です。「生徒さんには、自分が作戦計画の立案者であったなら、自分が満州移民として送り出される立場であったならなどと授業のなかで考えてもらいました。講義の間だけ戦争を生きてもらいました。」というふうにして、優秀だったはずの日本のトップに立つ人間たちが、なぜ無謀とも思える戦争を始め、ごく普通の庶民がそれを疑問とも思わず受け入れたのかを考えます。日本だけでなく、当時の世界の最前線にいた人々が何を考えていたのかも、各種資料を駆使して詳しく説明してくれます。
翻訳の先生が激賞していたので興味をもち図書館に予約を入れたのが去年の秋。半年以上待ってようやく手元に来ました。まだ私のあとにも数百人待っているので、絶対に期限内に読み追えなくてはならず、けっこう必死に読みました。
「面白い」と言えばそうなんだけど、日本の歴史音痴(日本人失格!)の私にはいささかしんどかった。なにしろどこを読んでも「へえ、そうだったっけ?」と思うことばかりで、自分が情けないったら。それに引き換え、登場する生徒たちは先生の問いにもきちんと反応し、それなりの回答を出してきます。まあ、歴史好きな生徒たちばかりを集めたのだから当然と言えば言えますが、それでも自分自身の無知はなんともしがたい。
でもまあ、なんとか最後まで読んだことで、なんとなくですが、あのあたりの日本の空気はわかったような気がする。あくまでも「気がする」だけですが。歴史というと年号を覚えるだけの退屈な学問、という意識しか中学・高校時代にはなかったわけですが、こんなふうにさまざまな角度から、まるでミステリーの謎解きのように迫っていけば楽しめたのかもしれないなあ。ただ、たとえそうしてみたところで、あの日本軍の軍服を思い浮かべただけで、この時代の歴史は敬遠したくなる気持ちはいまだに根強いです。
作者:加藤陽子
出版社:朝日出版社
ISBN:4255004854
翻訳の先生が激賞していたので興味をもち図書館に予約を入れたのが去年の秋。半年以上待ってようやく手元に来ました。まだ私のあとにも数百人待っているので、絶対に期限内に読み追えなくてはならず、けっこう必死に読みました。
「面白い」と言えばそうなんだけど、日本の歴史音痴(日本人失格!)の私にはいささかしんどかった。なにしろどこを読んでも「へえ、そうだったっけ?」と思うことばかりで、自分が情けないったら。それに引き換え、登場する生徒たちは先生の問いにもきちんと反応し、それなりの回答を出してきます。まあ、歴史好きな生徒たちばかりを集めたのだから当然と言えば言えますが、それでも自分自身の無知はなんともしがたい。
でもまあ、なんとか最後まで読んだことで、なんとなくですが、あのあたりの日本の空気はわかったような気がする。あくまでも「気がする」だけですが。歴史というと年号を覚えるだけの退屈な学問、という意識しか中学・高校時代にはなかったわけですが、こんなふうにさまざまな角度から、まるでミステリーの謎解きのように迫っていけば楽しめたのかもしれないなあ。ただ、たとえそうしてみたところで、あの日本軍の軍服を思い浮かべただけで、この時代の歴史は敬遠したくなる気持ちはいまだに根強いです。
作者:加藤陽子
出版社:朝日出版社
ISBN:4255004854
by timeturner
| 2010-07-10 20:04
| 和書
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