2009年 09月 26日
オスカーとルシンダ |
ヴィクトリア朝のイギリス。厳格な牧師の家庭で育ったオスカーは神の啓示(だと彼が考える)しるしを得て父の元を離れ、英国国教会の牧師の下に身を寄せる。オックスフォード大学で学び、やがて敬虔な牧師となって伝道のためにシドニーに向かうオスカーだったが、実は大学時代にギャンブルに取り憑かれていた。一方、オーストラリアの片田舎で育ったルシンダは亡き母の莫大な遺産でシドニーにガラス工場を購入し、実業家として成功してはいたが、孤独を癒すために手を染めたギャンブルに魅入られていた。そんなふたりがロンドンからシドニーへと向かう客船で出会った・・・。
ブッカー賞を受賞したピーター・ケリーの同名小説の映画化だそうですが、原作も絶対に読んでみたい! でも、原作に忠実でもそうでなくても独立した映画として素晴らしいです。イギリスとオーストラリア、両方の自然が登場しますが、これまでどんな映画でも見たことがないような美しい映像。特にこの作品の中で大事な要素になっている「水」の描き方が絶妙です。
ストーリー展開に無駄がなく、それでいて急いだりはしょったりした印象もなく、2時間強の間完全に映画の世界に引き込まれてしまいました。切ないけれどほんのりおかしく、悲しいけれど最後はなんとなく幸せな気分にもなれる、とても現実離れしているのに、ひょっとしたら世界のどこかで歴史上のいつか、こんなこともあったかもしれないと思わせる「お話」。
レイフ・ファインズの演技が素晴らしい。さすがのケイトもかすんでしまうほどです。彼の顔立ちはどうも色素が薄くて好みではなかったんですが、この映画ではその特徴がまさにぴったりで、彼以外のオスカーだったらこの映画の完成度はなかったと思えるほど。ギャンブルに取り憑かれていながら、誰よりも無垢で純粋な男というキャラクターそのものでした。ヴォルデモートとは対極にある役ですね。
allcinemaの作品紹介で「ギャンブルに人生を賭ける男女の生きざまをハードに描く」なんて書いてあったので見るのをやめようかと思ったのですが、ケイトに賭けてみてよかった。ぜんぜん違うじゃないか。こういう見当ハズレな紹介って犯罪的じゃない? この映画が好きになりそうな観客を遠ざけ、見てがっかりするような観客を引き入れようとしてるんだもの。
ところで、ルシンダの将来を決めた「涙ガラス」がどういうものなのか、いまいちわからなかったので調べてみると、日本では「オランダの涙」と呼ばれて主に化学の実験で扱われているみたいですね。オーストラリアでは誕生日プレゼントの定番だったんでしょうか? しかし、あれを子供にやらせるのは危ないと思うなあ。破片が目に入ったらどうするんだ?
原題:Oscar And Lucinda(1997)
上映時間:133 分
製作国:アメリカ/オーストラリア
監督:ジリアン・アームストロング
出演:レイフ・ファインズ、ケイト・ブランシェット、シアラン・ハインズ、トム・ウィルキンソン、リチャード・ロクスバーグ、ジョセフィン・バーンズ、クライヴ・ラッセル、ビル・ブラウン、バーナビィ・ケイ、バリー・オットー、リンダ・バセット、ジョフリー・ラッシュほか。
ブッカー賞を受賞したピーター・ケリーの同名小説の映画化だそうですが、原作も絶対に読んでみたい! でも、原作に忠実でもそうでなくても独立した映画として素晴らしいです。イギリスとオーストラリア、両方の自然が登場しますが、これまでどんな映画でも見たことがないような美しい映像。特にこの作品の中で大事な要素になっている「水」の描き方が絶妙です。
ストーリー展開に無駄がなく、それでいて急いだりはしょったりした印象もなく、2時間強の間完全に映画の世界に引き込まれてしまいました。切ないけれどほんのりおかしく、悲しいけれど最後はなんとなく幸せな気分にもなれる、とても現実離れしているのに、ひょっとしたら世界のどこかで歴史上のいつか、こんなこともあったかもしれないと思わせる「お話」。
レイフ・ファインズの演技が素晴らしい。さすがのケイトもかすんでしまうほどです。彼の顔立ちはどうも色素が薄くて好みではなかったんですが、この映画ではその特徴がまさにぴったりで、彼以外のオスカーだったらこの映画の完成度はなかったと思えるほど。ギャンブルに取り憑かれていながら、誰よりも無垢で純粋な男というキャラクターそのものでした。ヴォルデモートとは対極にある役ですね。
allcinemaの作品紹介で「ギャンブルに人生を賭ける男女の生きざまをハードに描く」なんて書いてあったので見るのをやめようかと思ったのですが、ケイトに賭けてみてよかった。ぜんぜん違うじゃないか。こういう見当ハズレな紹介って犯罪的じゃない? この映画が好きになりそうな観客を遠ざけ、見てがっかりするような観客を引き入れようとしてるんだもの。
ところで、ルシンダの将来を決めた「涙ガラス」がどういうものなのか、いまいちわからなかったので調べてみると、日本では「オランダの涙」と呼ばれて主に化学の実験で扱われているみたいですね。オーストラリアでは誕生日プレゼントの定番だったんでしょうか? しかし、あれを子供にやらせるのは危ないと思うなあ。破片が目に入ったらどうするんだ?
原題:Oscar And Lucinda(1997)
上映時間:133 分
製作国:アメリカ/オーストラリア
監督:ジリアン・アームストロング
出演:レイフ・ファインズ、ケイト・ブランシェット、シアラン・ハインズ、トム・ウィルキンソン、リチャード・ロクスバーグ、ジョセフィン・バーンズ、クライヴ・ラッセル、ビル・ブラウン、バーナビィ・ケイ、バリー・オットー、リンダ・バセット、ジョフリー・ラッシュほか。
by timeturner
| 2009-09-26 18:15
| 映画
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