2009年 08月 26日
シャルビューク夫人の肖像 |
19世紀末のニューヨーク、肖像画家として成功したピアンボはある日、盲目の男に声をかけられた。その男の主人であるシャルビューク夫人が肖像画を描いてほしいというのだ。謝礼は莫大だったが、条件がひとつあった。夫人の姿を見ることなく、話を聞くだけで描くようにというのだ。五番街の豪邸を訪れ、屏風ごしに夫人の数奇な過去を聞かされるうちに、ピアンボは怪しい世界にとりこまれていく・・・。
1割くらいまで読んだところで、「なんだかこの不思議な雰囲気はあれに似てるなあ」という気がしました。「あれ」のタイトルも作者も思い出せなかったんですが、中身はちゃんとわかっていて、「あれ」なんですよ。
で、読み終わってから訳者あとがきを読んで納得。なんのことはない、この人、『白い果実』の作者でした。
今回も独特の幻想的な雰囲気がたちこめていますが、背景が現実の都市、時代であるだけに『白い果実』のような、どこまで深く引きずり込まれるのかというような不気味さはありませんでした。逆にそれが少し物足りないような気もします。結末も普通にハッピーエンドだしね。とはいえ、よく書けた話であることには間違いありません。読み始めたら最後、ピアンボと一緒にシャルビューク夫人の虜になり、他のことはすべて忘れて読みふけってしまいますから。
原題:The Portrait of Mrs. Charbuque
作者:ジェフリー・フォード
訳者:田中一江
出版社:ランダムハウス講談社
ISBN:4270101660
1割くらいまで読んだところで、「なんだかこの不思議な雰囲気はあれに似てるなあ」という気がしました。「あれ」のタイトルも作者も思い出せなかったんですが、中身はちゃんとわかっていて、「あれ」なんですよ。
で、読み終わってから訳者あとがきを読んで納得。なんのことはない、この人、『白い果実』の作者でした。
今回も独特の幻想的な雰囲気がたちこめていますが、背景が現実の都市、時代であるだけに『白い果実』のような、どこまで深く引きずり込まれるのかというような不気味さはありませんでした。逆にそれが少し物足りないような気もします。結末も普通にハッピーエンドだしね。とはいえ、よく書けた話であることには間違いありません。読み始めたら最後、ピアンボと一緒にシャルビューク夫人の虜になり、他のことはすべて忘れて読みふけってしまいますから。
原題:The Portrait of Mrs. Charbuque
作者:ジェフリー・フォード
訳者:田中一江
出版社:ランダムハウス講談社
ISBN:4270101660
by timeturner
| 2009-08-26 19:44
| 和書
|
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