2009年 06月 01日
Lost in Austen |
アマンダ・プライスは少女の頃からのジェーン・オースティン狂。ストレスがたまるとお気に入りの本を手にとり、今のロンドンではお目にかかれない、理想的な紳士やエレガントな服装、美しい邸といった物語の世界に逃避するのが常だった。だがある日、浴室でエリザベス・ベネットと遭遇したのをきっかけにアマンダは『高慢と偏見』の世界に飛び込んでしまう・・・。
前から気になっていたんですが、ポンドが安くなっていたので英アマゾンでぽっちりしてしまいました。結果は大当たり。
イギリスのITVで放映された4話のミニシリーズなんですが、面白いの何のって。「ブリジット・ジョーンズ」はBBCで放映されたコリン・ファース版「高慢と偏見」のパロディでしたが、これもまたそうで、明らかにコリンが演じたダーシーの真似だとわかるシーンがいくつもあって大笑いさせてくれます。普通こんなにいじられたらBBCが文句を言いそうなものですが、逆にどうもいろいろ協力しているようなふしがあります。BBC版「高慢と偏見」のキャストを紹介するインターネットの画面が出てくるんですが、あんなのは著作権があるからBBCの許可なしでは使えないものね。太っ腹だなあ。NHKがそんなこと許可するとはとうてい思えません。
原作をただなぞるのではなく、アマンダの介入によって少しずつ話の展開がずれていくのにハラハラさせ、さらにそれがうまく収束していく手際に舌を巻かせるという天才的な脚本が素晴らしい。よく知られた原作を映画化するときには、話の展開は誰でも知っているからキャストの魅力や演技力、台詞の巧さで見せていく必要があるのですが、この作品の場合はヒネリがあるのでストーリーだけでオーディエンスを引っ張っていける力があります。
ダーシーに憧れたことのある女性だったら誰でも、自分をアマンダに置き換えて見てしまうこと確実。これでダーシー役がコリン・ファースだったら言うことないんですが、まあそのへんは贅沢を言わず、片目をつぶって見るようにしましょう。
ベネット夫人やウィッカム、ミス・ビングリーの描き方は現代人の嗜好にすごく合ってる気がするなあ。原作よりこっちのほうが納得できた。
エリザベス・ベネットが原作とは違ってこっちでは脇役なんですが(登場時間も短い)、この役を演じた女優さん(Gemma Arterton)がとてもきれいで存在感のある人でした。この人とコリン・ファースでやってほしかったなあ。ジェニファー・エールも嫌いじゃなかったけど、ちょっと太めなせいか動きにキレがない気がしたので。
自分でもびっくりしたのは英語字幕なしで見たのにほとんどの会話が聞き取れたこと。ただし『高慢と偏見』の世界にいるときだけで、現代のロンドンでの会話になるととたんに聞き取れなくなる。要するに聞き取れているのはここのところずっと『高慢と偏見』のファンフィクションなど、オリジナルと同じ19世紀初頭の英語を使って書かれた小説ばかり読んできたからなんですね。劇中のアマンダも繰り返しオースティンを読んできたおかげで、いきなり過去の世界に投げ込まれてもそれなりに礼儀正しく話すことができていました。やはり語学学習にとっていちばん効果があるのは反復だな、と変なところで納得した私。
邦題:ジェイン・オースティンに恋して(2008)
上映時間:178 分
製作国:イギリス
監督:Dan Zeff
出演:Jemima Rooper、Elliot Cowan、Gemma Arterton、Morven Christie、Tom Mison、Christina Cole、Tom Riley、Alex Kingston、Hugh Bonneville、Perdita Weeks、Lindsay Duncan、Guy Henryほか。
前から気になっていたんですが、ポンドが安くなっていたので英アマゾンでぽっちりしてしまいました。結果は大当たり。
イギリスのITVで放映された4話のミニシリーズなんですが、面白いの何のって。「ブリジット・ジョーンズ」はBBCで放映されたコリン・ファース版「高慢と偏見」のパロディでしたが、これもまたそうで、明らかにコリンが演じたダーシーの真似だとわかるシーンがいくつもあって大笑いさせてくれます。普通こんなにいじられたらBBCが文句を言いそうなものですが、逆にどうもいろいろ協力しているようなふしがあります。BBC版「高慢と偏見」のキャストを紹介するインターネットの画面が出てくるんですが、あんなのは著作権があるからBBCの許可なしでは使えないものね。太っ腹だなあ。NHKがそんなこと許可するとはとうてい思えません。
原作をただなぞるのではなく、アマンダの介入によって少しずつ話の展開がずれていくのにハラハラさせ、さらにそれがうまく収束していく手際に舌を巻かせるという天才的な脚本が素晴らしい。よく知られた原作を映画化するときには、話の展開は誰でも知っているからキャストの魅力や演技力、台詞の巧さで見せていく必要があるのですが、この作品の場合はヒネリがあるのでストーリーだけでオーディエンスを引っ張っていける力があります。
ダーシーに憧れたことのある女性だったら誰でも、自分をアマンダに置き換えて見てしまうこと確実。これでダーシー役がコリン・ファースだったら言うことないんですが、まあそのへんは贅沢を言わず、片目をつぶって見るようにしましょう。
ベネット夫人やウィッカム、ミス・ビングリーの描き方は現代人の嗜好にすごく合ってる気がするなあ。原作よりこっちのほうが納得できた。
エリザベス・ベネットが原作とは違ってこっちでは脇役なんですが(登場時間も短い)、この役を演じた女優さん(Gemma Arterton)がとてもきれいで存在感のある人でした。この人とコリン・ファースでやってほしかったなあ。ジェニファー・エールも嫌いじゃなかったけど、ちょっと太めなせいか動きにキレがない気がしたので。
自分でもびっくりしたのは英語字幕なしで見たのにほとんどの会話が聞き取れたこと。ただし『高慢と偏見』の世界にいるときだけで、現代のロンドンでの会話になるととたんに聞き取れなくなる。要するに聞き取れているのはここのところずっと『高慢と偏見』のファンフィクションなど、オリジナルと同じ19世紀初頭の英語を使って書かれた小説ばかり読んできたからなんですね。劇中のアマンダも繰り返しオースティンを読んできたおかげで、いきなり過去の世界に投げ込まれてもそれなりに礼儀正しく話すことができていました。やはり語学学習にとっていちばん効果があるのは反復だな、と変なところで納得した私。
上映時間:178 分
製作国:イギリス
監督:Dan Zeff
出演:Jemima Rooper、Elliot Cowan、Gemma Arterton、Morven Christie、Tom Mison、Christina Cole、Tom Riley、Alex Kingston、Hugh Bonneville、Perdita Weeks、Lindsay Duncan、Guy Henryほか。
by timeturner
| 2009-06-01 21:38
| 映画
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