2009年 04月 07日
ウィタ・セクスアリス |
タイトルは「性欲的生活」という意味だそうで、ひとりの哲学者が幼いときから現在までの自らの性生活を正直に綴ってみたという形をとって、実は森鴎外自身の半生記にも読めるというもの。
津和野で森鴎外の生家を訪れ、記念館で彼の作品や生涯の軌跡を見たおかげで、影響されやすい私は帰ってすぐ図書館に行ってこれを借りてきました。もともと家の近所に鴎外が住んでいた観潮楼があり、その跡地に小さな記念館があるというのもあって興味はあったのですが、作品は学生時代に『山椒大夫』を読んだだけというお粗末さでどんな文体かもよく知らなかったのです。
読みにくいかと思っていたらとんでもない。すご~く読みやすく、真面目に書いてあるように見えてそこここにくすっと笑ってしまうようなおかしみがあり、とても楽しめました。性生活とはいっても主人公(鴎外)はとても真面目だったので眉をひそめるような話はありません。でも、医学校予科時代に男性ばかりの寮生活で硬派の先輩たちに狙われたなんていう話は「時代だなあ」という感じ。
それにしても早熟な天才だったのですねえ。6歳で漢学、9歳でオランダ語を学び始め、11歳で第一大学区医学校予科(現東京大学医学部)入学、19歳で卒業という凄さ。「栴檀は双葉より芳し」とはまさに彼のことです。別の作品も読んでみることにします。
作者:森鴎外
出版社:岩波文庫
ISBN:4003100539
津和野で森鴎外の生家を訪れ、記念館で彼の作品や生涯の軌跡を見たおかげで、影響されやすい私は帰ってすぐ図書館に行ってこれを借りてきました。もともと家の近所に鴎外が住んでいた観潮楼があり、その跡地に小さな記念館があるというのもあって興味はあったのですが、作品は学生時代に『山椒大夫』を読んだだけというお粗末さでどんな文体かもよく知らなかったのです。
読みにくいかと思っていたらとんでもない。すご~く読みやすく、真面目に書いてあるように見えてそこここにくすっと笑ってしまうようなおかしみがあり、とても楽しめました。性生活とはいっても主人公(鴎外)はとても真面目だったので眉をひそめるような話はありません。でも、医学校予科時代に男性ばかりの寮生活で硬派の先輩たちに狙われたなんていう話は「時代だなあ」という感じ。
それにしても早熟な天才だったのですねえ。6歳で漢学、9歳でオランダ語を学び始め、11歳で第一大学区医学校予科(現東京大学医学部)入学、19歳で卒業という凄さ。「栴檀は双葉より芳し」とはまさに彼のことです。別の作品も読んでみることにします。
作者:森鴎外
出版社:岩波文庫
ISBN:4003100539
by timeturner
| 2009-04-07 19:24
| 和書
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